DEADMAN'S REACH(英→日)

DEADMAN'S REACH(英→日) に関する記事です。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさま、こんにちは、こんばんは。

大変、久々の更新となりましたが、
本日は、デッドマンズリーチ物語の第九章をお届けしたいと思います。

第一章はこちらから
※よろしければぜひ、第一章から順にお読みください。


このブログでも何度かご紹介しておりますが、
デッドマンズリーチ物語というのは、
Raven's Brewという、
僕の大変お気に入りの珈琲豆を扱う会社様の製品の中にある、
同名の珈琲豆をモチーフにした物語です。

現在、日本での取り扱いはされておりませんが、
僕の珈琲熱は、
まさにこの珈琲を口にした瞬間から始まったと言っても過言ではありません。

それほどにおいしい、そして思い入れのある珈琲豆なのです。

そんな僕のデッドマンズリーチ熱は、
やがて高まり、アメリカの本社に直接お願いをして、
ウエブサイトに掲載されていた物語を、
このブログにて、
日本語で翻訳する許可をいただいた次第です。



何ぶん素人の翻訳で、
読みづらいところなどあるかもしれませんが、
みなさまにとって、なにかしら面白いと感じていただければ幸いです。

それでは始めさせていただきます。

第9章
『不自然な仕草』


作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


アレンとボブはともかく、
込み入ったギャラリーの隅っこに腰掛けることにした。
ちょうどあのピエトロが、
彼の作品”New World Roadkill”についての説明を始めるところのようである。
(彼の説明によると、”森での興味深い生活”という、
フリースタイルによる彼のポエムからの一節だということだ)

trulydead.jpg

ケチカンの街は益々激しい豪雨に包まれ、
鳥たちはよりそいおしゃべりに夢中だ。
どす黒く曇った空は、
不気味な笑みを浮かべたゴーストで埋め尽くされている。
「ふん、でもまあ、
”本当の死”に向き合うにはもってこいの夜じゃないか。」
アレンはふと、そんなことを感じた。


ところで、現在は ”ほとんど” 死んでいる状態のアレンだが、
一応、座っては見たものの、別段朗読会などに興味はない。

そういえば会場には様々な人が見受けられる。

彼には見えるのだ。
生身の人間にも、光の鮮やかさはそれぞれで、
鮮やかな光を発する人もいれば、ぼんやりとした光の人もいるようだ。


「ああ、どうなってんだ、いったい!」
アレンはボブのほうに向き直った。
「あの...。 どうしても引っかかってしまうのですが...。
もしその、自分にとって
”かけがえのない愛” をもつものだけが見えるっていうんだとしたら、
いったいなぜ、ピエトロまで見えるんです? 
しかもはっきりと!
彼はわがままで最低で、その上ブサイクときてるんですよ?」

ボブは彼の首元でじゃれている黒い足のフェレットをあやしながら言った。
「うむ。 まあ確かに彼は芸術家としても今ひとつじゃし、
なにより彼は君に対する殺人の容疑がかかっているしな...。 
しかしこうして実際に見えているということは、
即ちその価値があるということになるかのう。」

全く釈然としなかったが、
はっきりと目に見えるのは事実なのだから、仕方在るまい。

「あ。そういえば、他にも目に見えない人ってたくさんいるんですか?」
今にも消え入りそうな声でアレンが言った。

「ああ、その通りじゃよ」

「そんな...。 もしそれが本当ならとてもじゃないけど..、
なんだか恐ろしくて公共の場になんか行けないですよ...。」
アレンはボブの話しを聞くと、がっくりと肩を落とした。

「フフフ。 冗談じゃよ」
アレンのその様子を見た ”自称 皮肉を言わないゴースト” のボブは、
やがてにんまりと笑って、軽く肘で小突いた。
(というよりも、正確にはそのような仕草があったと言うべきだろう。
なぜなら、彼らには実態そのものがないのだから)

「おや、あの子がやって来たようじゃ。」

アレンは振り返る。
ウィラだ! ウィラがこちらにやってくる。

思わず息をのんだ。
ああ、理由は分からないが、彼女のその様はとても美しかったのだ。
もしこの瞬間、自分が死んでいなかったとしてもきっと、
この気持ちを彼女に伝えただろう。 アレンはそう思った。

彼女は小柄で、
どちらかというとふくよかな体型の、普通の女性だ。
しかし今彼の目の前にいる彼女はどうだ。
張りのあるその肌はさらなる艶めきを増し、
瞳の奥は燃え盛り、まるで火花が弾け飛ぶほどにきらめいているではないか。

「彼女に触れたい...」
アレンはこの時ほど、そう感じたことはなかった。


ウィラには、若い警官が付き添っていた。
そういえばどこかで見た事があるなと思っていたが、そうか、
今朝方、アレンの部屋を捜索していた警官のようだ。

彼女は黄色いシャツに赤いセーターを上に羽織っており、
若い警官は平服のようだ。
皮のベルトをギシギシさせている制服よりも、
ずっと若く見える。


reading.jpg

ところでピエトロは徐に歩き出すと、
あらかじめギャラリーに置いてあった、2つのモニター画面の間に立った。
そして、中に何か書かれているのだろうか、
グリーン色をした紙の束を持っている。

やがて彼はまるで一流レストランの総支配人かのように、
群衆をゆっくりと見回すと、ここにいる人たちには、
自分にとってなんら価値がない存在だとも言い出さんばかりに、
あからさまにしかめ面をして見せた。

しかし次の瞬間、彼の表情がこわばった。


先ほどの若い警官とウィラの一行が立ち上がって、
ギャラリーのオーナーの方へ向かって歩き出した。

ピエトロは目でそれを追う。

ギャラリーのオーナーは彼女に軽く会釈をすると、
裏手にある倉庫のほうを指差している。

若い警官は彼女に礼を言うと、
それから細長い廊下へと向かった。

そう、あの場所である。
ピエトロが今朝、血のべっとりと付いたシャツを燃やしていたところだ。

ピエトロは警官が裏手に消えたことを確認すると、
注意深く、そろそろとドアの方へ向かった。

「あのう...。 みなさま、す、すぐに始めますから、
しばらくの間、お、お待ちくださいますか?」
半分上ずった声で、ピエトロがギャラリーの人達にそう告げると、
群衆はそれに従ってひとまず腰を下ろした。
「ええと、それから、
急な用事を思い出したので、ちょっと...いったん外に出て来ますから」
そう言い残すと同時に、後ろ手でドアノブに手をかけた。

そしてまさに今、ピエトロが外に出ようとしたその時である。

彼の行動に異変を感じたウィラが、真っ先に彼に飛びかかった。
ピエトロは倒れ込み、必死にもがき、
彼女も負けじと彼の足首を掴む。

しかし、掴みはなさじの状態はそう長くは持たなかった。


ピエトロは彼女を振り切って飛び出した。
夜の闇、雨の降りしきる遊歩道を歩く、
悲しい目をしたバイソンの傍らを通り過ぎて。
bison.jpg


「...ええと、これはつまり、
もうここで彼の朗読を待つ必要がないってことかしら?」
事態のつかめないままギャラリーに取り残された人の中から、
そういった声が聞こえ始めたのは、ごく自然なことだろう。 

そして人々は、誰からともなく、
どこかほっとした表情で夫々の席を立ち始めた。


>第10章へ進む
第8章に戻る



原文

Chapter Nine
A Shot Of The Unusual

Allen and Bob the No Irony ghost sat in the back of the crowded gallery.
Pietro was going to give a reading from his performance piece
that accompanied the "New World Roadkill" show: free verse poetry he called
"My Interesting Life with Trees." Outside it was raining hard on the streets of Ketchikan. The bars were crowded with laughing women and the air was
illed with the ghosts of the truly dead and deserving.

Allen was only nearly dead, but still he didn't think he could sit through
the reading. He watched the assorted crowd of vivid and near vivid
living people file into the gallery.

"I don't get it," Allen turned to the old ghost. "If I can only see the ones most deserving of love, why can I see Pietro at all? I mean,
the guy is a jerk and a terrible artist to boot."


Bob the No Irony ghost scratched the black-footed ferret around
his neck and said, "Well, he may be a terrible artist, and he may even be
a murderer, but he must be deserving of at least some love or you wouldn't
be able to see him at all."

"Are there a lot of people I can't see at all?"
asked Allen, his voice becoming wistful.

"No. Hardly any," the old ghost answered. "But I wouldn't go to any political conventions. It's scary." Allen looked at him, clearly distressed and confused.
"I'm kidding," Bob the No Irony ghost said. Then he jabbed Allen with his elbow, or at least tried to but without effect because they both had insubstantial forms. "Look. There's your really vivid girl." Willa walked in. She looked beautiful, and Allen thought he would have noticed her even if he hadn't been dead.
She was short and on the stout side, but this evening her skin was radiant and her eyes sparked with a heat that made Allen long to be able to touch her. She was accompanied by the young patrol officer who had been in Allen's apartment in the morning. Willa wore a yellow shirt and a red sweater. The young policeman was in civilian clothes and looked much younger than he did in uniform and creaking leather belt.


Pietro came out and stood between two video monitors.
He had a green sheaf of papers he was intending to read from.
He scanned the crowd like a maitre d' at an exclusive restaurant,
scowling as if he knew they were undeserving of the treat which lay
in store for them.
The patrol officer got up and went to speak to the owner of the gallery.
Pietro's eyes followed him nervously.
The gallery owner nodded her head in agreement and gestured toward the back storage rooms.
The young patrol officer thanked her and headed down the narrow hallway,
where earlier in the morning Pietro had burned the bloody clothes.
Pietro edged toward the door.

"I will be beginning soon," Pietro intoned, and the crowd began to settle. He edged toward the door. "But first I have to step outside." And he bolted for the door.

Willa sprang for him, grabbing his ankles, but he broke free into the night where a sad-eyed bison ambled down the boardwalk in the rain.

"Does this mean we don't have to listen to him read?"
a woman asked her date, as everyone else happily got up to leave.

Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.

©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


いつも遊びにいらしてくれるみなさま、
本当にありがとうございます。

しばらく更新がストップしている間にも、
遊びに来て下さる人がいたり、
中にはコメントを下さるかたもいらっしゃって、
心から感謝しております。

今日は過ぎていきます。
しかし明日という未来が待っているのなら、
無限の可能性を信じて、夢を拓こう。

そんなことを考えつつ、
僕は新しい事業のことで頭がいっぱいです。


今日、ここに集ったみなさまへ、
そして、まだ出会っていない全ての人へ、
それぞれにとって、楽しいと感じることの多い、
よい一日になりますように。


Motohiro
スポンサーサイト

[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。

夏らしい気候になってまいりました。
僕は夏が大好きです。
機会あれば、今年こそ海にでも行きたいなあ~。

さて、大変久々の更新となりましたが、
本日は、デッドマンズリーチ物語の第八章をお届けしたいと思います。

第一章はこちらから

何ぶん素人の翻訳で、
読みづらいところなどあるかもしれませんが、
みなさまにとって、なにかしら面白いと感じていただければ幸いです。

それでは始めさせていただきます。


第8章

『とめどなく』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


「いいかい。よく聞くんだ」
老人はその迫り来る獣のほうに向き直ると、
そうアレンに告げた。

「お前さんはもう死んでおる。 
というより、まあ”死に損ない”といったとこじゃがな」
「しかしワシはな、君ならきっと見つける事ができると思っとる」

やや時間があり、
アレンはおそるおそる目を開けた。
するとそこには、なんとあの獰猛そのもの見えた大きな熊が、
鼻をフンフンと鳴らしながら、
老人の持っているアサリソースのボウルに顔を突っ込んでいるではないか。

老人は相変わらずの様子で、
アレンに向かってゆっくりとうなずいてみせた。
「死の直前でお前は、
かけがえのない愛の存在によって、この世につなぎ止められたのだよ」

彼は懐のボウルをむさぼっている大きな熊の、
そのゴツゴツと隆起した背中をそっとなでてやると、
それから歩道に向かって歩き出した。
アレンもつられる様にして、老人に付いて行く。
「ははは。その顔を見ればわかるぞ、
老人が何をおかしなことを言っているのかと思っているんじゃな?」

「お前が今この”死語の世界”という場所に存在しているということについては、
おそらくはすでに気づいているとは思うがの、
それは本来の在り方ではないのじゃ。 理由は聞かないでくれ。
それについてはワシにもよく分からんのだ」

何から何まで、分からないことばかりだ。

「...それで、あなたは一体何者なんですか?」
アレンは老人に尋ねた。

「おっと、これは失礼。 私の名前はボブだ。 よろしくな」
老人はアレンに手を伸ばしてきた。
アレンはその手を握り返そうとするのだが、
どうしたことだろう。
まるで雲をつかむような感覚だ。

「ハハハ。 面白いだろう?」

「これだから止められんのだ」
面食らったアレンの顔をみて、老人はニヤっと笑った。


「それはそうと、そのボタンはどういう意味なんですか? 皮肉は禁止?」
アレンはずっと気になっていたのだ。

それを聞いた老人は、頭を左右に少し振り、
それから口元を一文字にキュッとしめると、
ゆっくりとため息をついた。

「これかい?」
「ワシにもよくわからないのだが、ひとつ言えることは、
神様は皮肉がお好きだと言うことじゃ」
そう言うと、ボブという名の老人は,
向こうから歩いて来た黒い尾尻の鹿の群れをよけるために、歩道に降りた。
もちろんアレンも老人に従ってそれをよける。

「君はどう思うね?」
「自然食品に野生保護観察区域、それからノンカフェインの珈琲。
それらについて私たち人類は日夜翻弄されているという事実についてを!」
老人の話は続く。

「神様はただ、皮肉が好きなのさ。 
嫌みや中傷でなく、ただ皮肉が好きなのさ...」

「それなら...、
なぜそのボタンには”皮肉は禁止”と書かれているんですか?」
と、アレン。

それを聞いた老人はまるで驚きを隠せないといった様子で、
アレンをまじまじと見つめると、こう言った。
「まさかお前さんは、冗談を言っているのではあるまいね?」

黒毛のフェレットは夢見心地のような表情で、
老人の頭の周りをぐるぐると回っている。

ferret_20080707133535.jpg

「...そもそも、神様なんているんですかね?」
アレンは恐る恐る聞いてみた。

老人は明らかに苛立っているようだ。
あからさまに深いため息をつくと、
アレンを促した。

「仕方がない。 お前を一度、本当の死に直面させる必要があるようじゃ」
「お前さんは未だ、何が起きているかを理解していないようだの。
神様うんぬんについては、それからじゃ。」

「オーケイ。 
それで私はどうやって、その本当の死というものに直面すればいいんですか?」
アレンは半ば投げやりになり始めていた。 
無理もないだろう。
あまりに不可思議なことが立て続けに起こっているのだ。 
事情など分かろうはずもない。

「お前さんはまず、自身に対する”愛の存在”を証明しなければなるまい」

老人は、
頭上をゆっくりと通り過ぎる、
スネールダーター・フィッシュを上目にやり過ごすと、
事も無げにそう言った。

「それで、どうやって?」
さすがにアレンも少し苛立ってきた。

「同輩よ!」

突然、老人が大声を上げた。

「君はなんでも私に聞けばよいと思っているようだが、
考えてもみなさい! 
こうなったことについて、そしてこの問題を解決することについては、
君にもなにかしらの責任があるはずだ!」


「...ごめんなさい。 そんなつもりじゃ...」
アレンは素直に謝るとうなだれた。 彼の声は今にも途切れそうなほどだ。

突然立ちこめて来るやり場のない苛立ちと悲しみ、
それから自分の無力さを思うと、
アレンの目は今にも涙で溢れそうになった。


「そう悲観的になりなさんな」
ボブは今度はやさしく彼に話しかけた。
うつむいたアレンの下唇は震えている。
大粒の涙がこぼれ落ちた。


「ほらほら、元気だして」

ボブはアレンに近づくと、彼の肩にゆっくりと手を回した。
「私も力になるから。 大丈夫。 大丈夫」
「さあ、いつまでもしんみりばかりしているわけにも行かないだろう」

路上ではジニー・Cという男が、
女性観光客の目の前に突然現れて、
彼が先ほど購入したという新しいTシャツを見せて驚かせていた。
8showshirt_20080707133449.jpg

「まずは、君をこんな状態にした張本人を探しに行こうじゃないか」
彼らはジニー・Cを通り抜けて、歩き出した。


第9章へ進む
第7章に戻る



原文

Chapter Eight
Unlimited Refills
"Look, here's the deal," the old ghost said to Allen as they turned toward the sound of the charging bear. "You're dead. Well, nearly dead, but I guess you figured that out."

Allen opened his eyes and saw the brown bear snuffling its snout into the old man's container of clam dip. The old man nodded as he spoke. "When you're nearly dead, you are haunted by the beings most deserving of love." The old man reached up and patted the huge muscled hump of the bear and walked down off the curb to go around it. "I know that sounds bass ackwards. You probably figured that post-life you would get to do the haunting, but that's not the way it is and don't ask me why. I don't know."

Allen shook his head. "And you are...?"

"Oh, sorry. I'm Bob." The old ghost held out his hand but when Allen reached out to clasp it their grip dissolved. The old man grinned. "You know, I love that. I never get tired of being dead," he tittered.

"What does that button mean: No Irony?" Allen asked. The old ghost shook his head patiently but with a slight gesture of irritation. "This? Well I don't really know. I do know God loves irony." The old ghost sidestepped a family of blacktailed deer walking up the sidewalk. Allen followed as the old ghost kept on. "I mean, that must be pretty obvious. How else can you explain most of human behavior: 'natural' food, wilderness preserves, decaffeinated coffee for crying out loud! I mean, God just loves irony...hates sarcasm...but loves irony."

"Then why does your button say 'No Irony'?"

The old ghost stood flat-footed and stared at him. The black-footed ferret lifted up his head dreamily. "You're kidding, right?" the ghost asked.

"Then there really is a God?" Allen asked timidly.

Bob the No Irony ghost let out an exasperated sigh. "Let's get you really dead first and then we'll go on to the God thing. You're not ready for the big picture just yet."

"Okay. So how do I get all the way dead then?" Allen asked, truly not knowing the answer.

"You have to prove your love for the deserving spirits," Bob the No Irony ghost said matter-of-factly as he sidestepped a group of tiny snail darters wriggling in the damp air ahead of him.

"And how do I do that?" Allen asked, beginning to get a little peeved.

"Hey, fella!" Bob the No Irony ghost shouted. "This isn't an open book quiz, you know! I don't just give out the answers. You have a little bit of responsibility here." "I'm sorry," Allen said, and his voice was soft. For the first time since his murder Allen was going to cry.

"Now don't sulk," the ghost said. He stood back and watched as Allen's shoulders slumped and his lower lip started to quiver. "Oh, cut it out," said Bob the No Irony ghost. "I'll help you. I'll help you. First we have to find the people who made you nearly dead in the first place." He tried to put his arm around Allen's shoulder as they stepped right through a crewman off the Ginny C who was showing a stunned tourist lady his new T-shirt.


Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


いつも遊びにいらしてくれるみなさま、
本当にありがとう。
今日、始めてのみなさま、こんにちは。

自分の楽しみのひとつとして、
こうして更新しておりますが、
みなさまにとって、
なにかしら面白いって思っていただけるものであれば、
うれしいな。

これからもどうぞよろしくね。

& enjoy your day!!


Motohiro

[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。

毎日、寒い日が続いています。
先日はうちのほうも雪が降りましたが、
みなさま、いかがお過ごしでしょうか??

さて、久しぶりになりましたが、今日は、
Deadman's Reach物語、第7章をお届けしたいと思います。

随分と間が開いてしまいました。
もしよろしければ、始めからどうぞ~。
第一章はこちらから

何ぶん素人の翻訳で、
読みづらいところもあるかもしれませんが、
できるだけ著者の意図を汲み、
大切に訳したつもりです。 
みなさまにとって、なにかしら面白いものであれば、
嬉しいな。

では始めさせていただきます。

第7章

『Fresh Ground』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto

アレンは部屋を飛び出した。 
殺されたのだ。
もはや、これは間違いないだろう。
地球に存在するほとんどの人間は、彼とは違って実態を持つのだ。

ウィラはテーブルのすぐ横で、
しっかりとシンディを見据えている。

「なんで私なのよ、まったく...」
シンディは口をとがらせた。
「あんたねっ!!」
彼女のあまりに無責任な態度には、
よっぽど言いたいことは沢山あったけれど、
それ以上はぐっと言葉を飲み込んだ。
今はあまりカッとなってはいけない。 落ち着くのだ。


奥から、釣り具をぶらさげた黒ぶち眼鏡のずんぐりとした男が、
ギャラリーに入ってきた。

それからあたりに展示されている、
動物達のかわいそうな有様に目を通すと、
思わず両の目の間にしわが寄った。
まるで、酸化した牛乳の匂いを間近で嗅いでしまった後のような様子だ。

「...あのう、私、ジニー Cと申しますが...」
ギャラリーにいたシンディとウィラに気づくと、
ひどく申し訳なさそうに、ボソボソと何かしゃべりかけてきた。
「いや実はですね...、
この辺りで変わったTシャツを売っているお店があると聞きましてね、
尋ねて来たんだけど...ご存知ですかね...?」
「うちの従業員達がすごく欲しいって言うもんだから...」

シンディは鼻をすすりつつティッシュに手を伸ばしながら答えた。
「反対側の通りよ」

ウィラはそんな様子などまるで見えてもいない様子だ。
ハイヒールのかかとをくるりと返すと、シンディに向き合った。
「あなたのことなんてどうでもいいの。 これは殺人事件なのよ」
「今大事なのは、彼と彼の家族のことね。 
私はこれから伺ってみるつもりよ」
そう言い残すと、彼女はすすり泣くシンディに背を向けて、
出口に向かった。
「今度あなたに会うのは刑務所かしらね」
肩越しに彼女にそう言い残すと、
ギャラリーを後にした。

ストリートはまるで彼女の心の内を反映するかのように、
時にやさしく、また時にはげしく、むせびないているかのようだ。
アレンは彼の実家に向かう彼女に伴って、雨の歩道へと歩き出した。


彼の足取りは重かった。
それもそのはずだ。 悲しみにくれる家族の姿が、
ありありと浮かんで来る。 今では手に取る様にわかるのだ。
自分はもうこの世には ”存在しない” 人間なのだ。

彼の母親はエプロンをしたまま目を真っ赤にして、
ソファに横たわっていた。
父親はずぶぬれのブーツに、いつもの作業着のままだ。
椅子に腰掛け、さっきからずっと天井を眺めている。

つけっぱなしのテレビから、天気予報が流れているようだ。

アレンが近づくと、テレビの画像がザザザと揺れた。
彼は、アンテナを直しにきた彼の妹の肩にそっと触れようとしたけれど、
やはりその手は彼女をすり抜けた。
しかし、なにかを感じたのだ。
もしかしたら彼女は自分に気づいたのではないだろうか。

彼女が少し笑った。

「おにいちゃんはここにいるわ!」

「あなた...」
ウィラはそっと彼女に近づくと、
やさしく微笑み、ゆっくりと肩に手を置いた。 
それからアレンはその手に自分の手を重ねた。
その瞬間だ。
ゾッとするような寒気が背筋を駆け抜けた。

あわてて、ウィラが手を離す。
「!!?」
「...もしかすると、...本当に、そうかもしれないわね...」
今の彼女には、そう言うのがやっとだった。


部屋の片隅にある、食器棚のすぐ後ろには、
年老いたインディアンの男が腰掛けていた。
首のまわりには、足下だけ黒い毛をしたフレットが、
くるくると回っている。
”さっきのじいさんか” アレンは思った。
相変わらずの様子で、
胸には「No Irony(皮肉は言わないで)」と書かれたバッチを付けている。
彼の左手にはコーヒーカップ、
それからひざの上には野菜スティックの入った器を抱えているようだ。

彼はアレンを見ると、
人参のスティックを持ったまま、
こちらに向かってにこにこと手を振って来た。

「こいつはアサリのソースじゃよ」
No Ironyの老人が言った。

「なかなかイケルもんだの」

「ところで知ってるかな? 
いらいらしたり、嘆いたりすると、余計に腹は空くものさ」

アレンの頭の中は様々なことが交錯していてそれどころではなかったが、
ぼんやりと頷いた。

「少し外へ行かんかね?」老人は彼をそっと促すと、こう言った。
「自分自身で全部食べちまうまえにな」

二人は玄関の戸を抜けて、雨の降りしきる通りへと向かった。

その時だ。

ちょうどアレンの左方向から、何かがもの凄い勢いで向かって来る。
アレンは思わず目を疑った。

茶色の毛並み、見るからに獰猛なクマが、
こちらに向かって猛突進してくるではないか。


むき出しの、ギラギラと艶光る牙。
荒々しい野生の息づかいは生暖かく、
冷たい夜の静寂をなめ回すかのようだ。

けたたましい足音は、みるみる近づいてくる。
荒れ狂う猛獣は、今、まさに獲物を捕らえる距離にある。

アレンは目を閉じた。 


第8章へ進む
第6章に戻る

原文


Chapter Seven
Fresh Ground

Allen ran from the room where Pietro was burning the bloody clothes. Allen was certain now he had been murdered, and he knew that some humans left on earth were more substantial than others. Willa was vivid and clear as she stood next to the table confronting Cindy, who appeared to be a ghost image on a cheap TV.

"Why did this have to happen to me?" Cindy moaned. "To you!" Willa snorted.

A stocky fisherman wearing dark glasses walked into the gallery. He looked at the images of dead animals and wrinkled his nose as if testing sour milk. "I'm off the Ginny C. I was looking for that weird T-shirt place, you know. My crew wants some of those fish things," he mumbled almost apologetically.

Even though Cindy was crying, she motioned with her knotted tissue. "The other end of the street," she replied. Willa turned on her heels. "This isn't about you. It's about murder. It's about Allen and his family. I'm going there now." Willa turned and walked out into the street where a gentle rain squall was blowing through. "I'll see you in jail," she called out over her shoulder as she put her hood up. Allen followed her to the home of his parents.

Later he wished he hadn't. All the grieving people were vivid. More clear than any of the other living ghost people he could see now that he was dead. His mother's eyes were rimmed in red and she was wearing her housecoat in the middle of the day, lying on the couch with her eyes open. His father was wearing his work clothes with his logging boots unlaced. He sat back in his lounge chair staring up at the ceiling. The weather channel was on TV and as Allen walked past the set, the reception blurred. His sister stood up and fiddled with the antenna. Allen laced his fingers through hers and thought he detected her smile.

"He's here," Allen's sister whispered.

Willa stood next to her and put her arms around the girl's shoulder. When Allen touched them both, they stiffened. Willa shuddered.

"I think you're right" was all Willa could say.

In the corner of the room the old Indian man with the black-footed ferret around his neck was sitting in the straight back chair next to the sideboard. The old man was still wearing the "No Irony" button. He had a cup of coffee in his left hand and a bowl of dip on his lap. He smiled at Allen and gaily waved a carrot stick.

"It's clam dip," the old man said. "I brought it with me. Grief makes you hungry. Did you ever notice that?"

Allen nodded absently.

"Let's get out of here then," the old ghost said, "before I eat myself to death."

As they stepped off the porch onto the street, Allen looked to his left and saw the dark form of a brown bear running hard towards them. The bear's teeth sparked; its hot breath pumped into the cold night air. Allen closed his eyes and listened to the charging footfall of claws scraping the sidewalk.



Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


いつもご覧になってくれているみなさま、
今日初めて起こしくださったみなさま、
本日は、こちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとうございました。

よかったらまた、遊びにいらしてくださいね。
お待ちしています!

今日が、みんなにとって、
いい一日でありますように。


Motohiro

[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。
&ただいま。w

先日のレコーディングや、
様々なプロジェクトにいったん区切りがついたところで、
なんだか、ぽっかりと気持ちが浮いてしまって、
ブログの更新をしていませんでした。

少し休んだらまた元気が出てきたので、
久しぶりにちょこっと書いてみます。

気がつけば、夏から秋へぐっと近づいていますね。
ボストンは、今年はまったく夏という感じがしないです!
毎日、とても涼しいですし、
夜は窓を開けていると肌寒くて風邪をひきそうになるので、
しっかり閉めて寝ているくらいです。

日本は猛暑が続いていると聞いています。
今年は記録的な暑さだそうですから、
体調管理も大変だと思います。
どうぞご自愛ください!!

さて、久しぶりになりましたが、
Deadman's Reach物語の第6章をお届けいたします。

何ぶん素人の翻訳で、
読みづらいところもあるかもしれませんが、
できるだけ著者の意図を汲み、
大切に訳したつもりです。 
みなさまにとって、なにかしら面白いものになれば、
幸いです。

では始めさせていただきます。

第6章

『それぞれの関係』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto

アレンはたまらずに、
シンディに駆け寄った。

しかし、彼の実態はやはり現世には存在していないようだ。
例のごとく、彼の体は、
まるで何事もなかったかのように彼女の実態をすり抜けた。
同時に、彼の中に、うんざりするようなけだるさと、
ちょうどひげ剃りの刃でチクっとしたような傷みを、
全身に感じた。

skeleton-1.jpg

ウィラは腰にあてられた銃口を、
シンディの手からゆっくりと下げると、
やはり冷静な口調で彼女に問いかけた。
「これを使ったのね...」

「彼に手はかけてないわ...」シンディはそう言うと、
再び、むせぶように泣き始めた。
ピエトロは彼女に歩み寄ると、ゆっくりと肩を抱いた。

模造皮の壁で出来た展示会場に静けさが降りてくる。

アレンは苛立っていた。
なぜなら、仮に彼がもし何者かに殺されなかったとしても、
どのみち彼はシンディにフられていたからだ。

しかし、不思議なことに、それはそれとして、
さきほど生じたテレビ信号の異変と同じくらいに、
気になりはじめたことがあった。

”もしかしたら、自分はウィラのことが好きだったのではないか”

それからアレンは、彼女が、
悪魔のような形相をしたリボルバー式拳銃を、
皮のケースににしまうのを確認した。

アレンは窓の外に目をやると、
ウィラの想いを感じ、そして心の中がズキンと痛むのを感じた。
二人はずっと仲の良い友達だった。 
実際に、アレンは誰より彼女を信頼してはいたけれど、
シンディの持つ華やかさを追いかけたのだ。

ウィラは友達でありながらも、
彼のことを愛していた。
今のアレンには確かにそう感じるのだ。

シンディのために、全てを失ったということが、
まるで愚かなことだったようにさえ思えた。

ケチカン市を流れる川の上では、
何百という数の鮭の大群が泳いでいた。
その光景はまるで、
プラスチック製の横断幕が、
やわらかな風に棚引いているかのようでもある。
それから、
窓の向こうの山の背には、
のんびりと歩く、先始時代に繁栄していた、
ムース、そして、澄み切った青空に浮かんでいる熱気球のような、
ゆらゆらと流れるステラーカイギュウを見つけた。

sea-cow.jpg

「考えてみれば、確かにおかしな関係だったかもな」
アレンは自分の中で少しそう思った。

ピエトロは、
展示場の中にある椅子にしばらく腰掛けていたが、
よろよろと立ち上がると、突然頭を掻き散らして取り乱した。
その様子はまるで、鳥かごに入ったウグイスのようだ。

「ああ~! イライラするよ、まったく!!」
「君たちの個人的な口論に付き合ってるヒマはないんだよ!
僕は色々忙しいんだ!」

彼はギャラリーにいる二人にそう言い放つと、
くるりと背を向け、そそくさと出口に向かって歩き出した。
アレンは後を追った。
ウィラはシンディの前に立ちはだかり、
目でそれを制している。

さて、先ほど展示場を後にしたピエトロだが、
もちろん、彼にはアレンの姿は見えていない。
しかし、時折神経質に後ろを振り返りながら、
狭く、そして薄暗い廊下をどんどんと奥に進んでいる。

そして倉庫に辿り着くと、
用心深く後ろを確認してから中に入り、
しっかりと鍵をかけた。 
そのすぐ後で、
アレンはためらう事もなく、ドアをすり抜けて中に入っていく。

倉庫の中に入ると、
ピエトロはなにやら缶の中から、ビニール袋を取り出した。
アレンはあたりに積んである荷物の上に深く腰を下ろし、
その様子を注意深く見守っている。

ピエトロは袋の中から、血にまみれた衣類を取り出すと、
そこにあったドラム缶の中に、それらを放り込み、
それから血の付いた紺色のズボンに、
ライターオイルを振りまくと、それをドラム缶の底へ押し込んだ。
火が点る。
まるで、手慣れた扱いだ。

burning.jpg

アレンはその煙の匂いをかぎながら、
ふと幼少のころの記憶を思い出した。

しかしすぐにアレンは我に返った。
ピエトロの顔は炎に照らされ、チカチカと不気味なまぶしさを放っている。
「あれは俺の血に違いない!」
アレンは叫んだ。 
ピエトロが、血走った目でこちらに振り返る。
彼には多分アレンの姿は見えていないはずだ。
だが、確かに彼らは今、お互いが目と鼻の先に存在しているのだ。

ピエトロは何度か瞬きをすると、
まるでそこにいる何者かの存在に感づいたかのようだ。
アレンに向かって、さらに一歩踏み出してくる。

炎はゴウゴウと燃えさかり、高く舞い上がった。


第7章に進む

第5章に戻る

原文


Chapter Six
「Thick As Mud」

Allen rushed toward Cindy but he was still dead, so he passed right through her body as if he were nothing to her in death, much like he had been in life. Passing into Cindy felt cloying and painful like putting aftershave on cuts all over his body.

Willa stepped forward and calmly took the revolver out of Cindy's trembling hands. "Did you use this on Allen?" Willa asked coolly.

"I didn't touch him." Cindy began to sob. Pietro moved closer to her in the red leatherette booth.

Allen was disgusted. Cindy had meant to dump him and probably would have if he hadn't been murdered in his apartment. Yet, strangely, this didn't concern him as much as his discovery that as a dead person he could interfere with TV signals and too that he was apparently in love with Willa. He watched her as she put the evil-looking revolver into her leather fanny pack.

Allen looked out the window. His heart was sore with the feeling he had for Willa. They had been pals. He trusted her, but he had pursued the glamorous Cindy.

Now he knew Willa had loved him, had been his friend, and it had been foolish for him to fall for Cindy. Out above Ketchikan, millions of salmon swam above the river, thick and intertwined like mylar banners in a mild, mild wind. Allen saw a great prehistoric moose ambling on the ridge line and a Stellar's sea cow drifting unteathered like a fleshy weather balloon above the trees.

"Relationships" are really weird," he said to himself. Pietro lurched out of the booth he was sitting in. He was agitated and his slender hands flitted around his head like caged songbirds.

"I'm stressing. I'm stressing here. I can't deal with personal confrontation. I've got to focus on the reading tonight." And Pietro walked toward the rear of the gallery, Allen followed him. Willa stood in front of Cindy and stared. Cindy traced some unknown letters with her index fingers.

Of course Pietro could not see Allen, but the artist turned, nervously watching over his shoulder as he walked down the narrow and dimly lit hall. Pietro went to a storage room and locked the door. Allen passed through the door. Pietro dug into a can wedged into the corner and took out a plastic bag. Allen sat back on a bale of rags and didn't say a thing as Pietro undid the bag and dumped bloody clothes into a metal trash barrel. There was a white shirt spattered brownish red and stiff as an old meat wrapper. When Pietro squirted lighter fluid on the cotton pants, black stains bled scarlet and dripped into the bottom of the barrel. Smoke rose black and greasy and there was something startlingly familiar about it. Allen recognized the smell slowly, as if it were a memory from childhood.

"This is my blood," Allen said to himself, watching Pietro's flame-lit face as he stirred the burning clothes in the barrel. Pietro looked up and his bloodshot eyes met Allen's from across whatever boundary separated the living from the dead. Pietro's eyes flashed with recognition as he took one step toward Allen, raising the burning clothes in front of him.

Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


本日もこちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとうございます。
いつも、ご覧になってくれているみなさま、
今日初めて起こしくださったみなさま、
今後とも、どうぞよろしくです。

コメントいただけると、
とても励みになります!
その際に、もしブログやホームページのアドレスなどお持ちで、
差し支えないようでしたら、一緒に載せていただけると嬉しいです。

また、ぜひいらしてくださいね。

ありがとうございました。

Motohiro

[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。

先日より日本に舞い降りた台風はその後、
各地を転々としているようですが、
場所により時折激しい被害を残しているようです。

いかがお過ごしでしょうか。
自然の脅威とは、本当に恐ろしいものですが、
今はただ、みなさまが無事でありますよう、
アメリカよりお祈りもうしあげます。

さて、
本日はDeadman's Reach物語、第5章をお届けしたいと思います。
全12章の物語、いよいよ少しずつお話が動き始めて参ります。

何ぶん翻訳に関しては素人で、
なかには読みづらいところもあるかもしれませんが、
もし、みなさまにとって、
なにかしら面白みを感じていただけたなら、嬉しいです。

それでは、始めさせていただきます。


第5章

『二つの弾丸が弾け、動き始める』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto

どういう訳なのか、
アレンにはシンディの姿をはっきりと捕らえる事ができなかった。
彼女の輪郭はアレンの目にはどうにもぼやけて見えてしまうのだ。
...それはまるで、彼にはもう、
永遠に届かない存在であるかのように。

二人は生前、お互いに恋人として付き合いをしており、
そしてあの日、彼らは少し遅めの昼食を一緒に取る予定だった。
結果的に死の要因となったタイヤ交換作業は、
彼にとってはまったく計算外の出来事で、
実際に彼を慌てさせた。

シンディは喫茶店の奥にあるギャラリーの中で、
すらっとした若い青年の肩にもたれかかって泣いていた。
彼の名はピエトロ。 正式には、ピーター、だが、
そんなことは今は大した問題ではない。 
ここではピエトロと呼ぶ事にしよう。
彼はいつものように真っ黒な服を身にまとい、
だらしなく伸びた髪を、下唇のあたりまで垂らしていた。

さて、今日は "New World Roadkill"とよばれる、
彼の個展がひっそりと開かれているようだ。
モノクロムによる作品で、
舗道で事故にあった動物達の姿が、
フィルムの中に不気味に映し出されている。

ピエトロはいつでもシンディに夢中だった。

そしてその若いブロンドの彼女に対するでれでれとした仕草は、
もしアレンが生きていたのならば、
このはらわたの煮えくり返る思いを、
きっと押さえることはできなかったに違いない。

ピエトロはシンディの耳元に向かってやさしくささやいた。
「悲しみを解き放ってごらん。 深い悲しみを。 深い悲しみを! 
過去の事は忘れて、今ある目の前のこと、そして未来に目を向けるんだ」

「彼女から手を放せ!!」
アレンはありったけの声で叫んでみたが、
やはり誰の耳にも届きそうにはなかった。

「多分、私にも責任があると思うわ」
シンディは涙でいっぱいになりながら、話し始めた。
「なぜって、実は今日彼に私たちのことを伝えるつもりだったの。 
だけどこんなことになるなんて、考えてもいなかったから...」
むせび泣く彼女の話を、ピエトロは少し離れた壁に寄りかかって聞いていた。
「確かに彼は少しだらしなかったけれど、何も死ぬ事はなかったと思うわ」
シンディの涙はまた溢れ出した。

アレンは少し立ちくらみのような目眩を感じて、
近くにあったテレビのモニターにもたれかかった。
ピエトロは今にも彼女にのしかかる勢いだ。

モニターの画像が乱れ始めた。

ピエトロは何か異変を感じ、思わず目を見張った。

しかしアレンがテレビのモニターから離れると、
すぐにまた、
フィルムの乱れは何事もなかったように鮮明な画像にもどったのだ。

「へえ」アレンは思った。
「こりゃまるでちょうど現実とさかさまだ! 
アンテナを調整しようとすれば逆に乱れるってわけだ」

ピエトロは乱れた画像がクリアになったのを確認すると、
すぐに彼女に向き直った。
「なあ、僕らはいつまでも、感情的になっているべきじゃないと思うよ。 
僕は何も非情になれって言っているわけじゃないぜ?」
「だけど、彼の死に方だって、ほら...なんていうかな、
ちょっとかっこわるかったしな」
「さすがに、誉れ高いとは言いがたいよ...、
なんでも風呂場で足を滑らせたっていう話だからな...」

シンディはすぐさま彼を鋭い目で制止した。
「ちょっとまって。 どうして、それを知ってるわけ? 
警察の人たちだって、さっき私にはそんなこと教えてくれなかったわ」
彼女はギャラリーの中をそっと見回してみた。
どうやらここには彼ら以外に誰もいないようだ。

ピエトロは彼女の話などにはまるで聞く耳も持たない様子で、
壁に向かって歩きはじめると、少し斜めに傾いていたテレビを元に戻した。
「あ? なんだ、それね。 さっきたまたま聞いたのさ」
そう言うと、彼女に向かってウインクした。
アレンの中でただなんとなく嫌な予感がよぎった。

そこで一人の女性がギャラリーに入ってきた。
彼女の名はウィラ。
 
ウィラはいつだって、他の誰よりも輝いていた。
彼女とアレンは職場の同僚だ。
彼らはお互い信頼できる仲間同士だったし、
時には一緒にランチを食べながら、
低カロリーのデザートの話などで盛り上がったりすることもあった。
しかしアレンは一度だって、
彼女に対してロマンティックな想いを寄せることはなかった。
というより、彼にとって彼女が彼と同じくらい孤独だなどと、
想像してみること自体が現実離れしていたのだ。
そして今までアレンは彼女のことを、
美しい人だな、などとは考えたこともなかったが、
今の彼には、何よりも、そして誰よりも輝いて見えた。

「彼女の深い瞳は、まるで露に濡れて光る黒檀のようだ...」
彼はふと思った。

ウィラはギャラリーに入り、
まっすぐにシンディとピエトロに向かって歩いてくると、
彼らの目の前で立ち止まった。

「あんたたちね。 私は知ってるのよ。 
あなた達二人が彼を殺したってこと」
彼女の口調はいたって冷静だ。 
「どうやってやったかまでは、知らないけどね」

「...よろしければ、コーヒーでもいかがかしら?」
シンディは鼻を少しすすると、
次の瞬間、ウィラのちょうど腰の付け根あたりに、
リボルバー式の拳銃を硬く突き立てた。

銃身の先に冷たく光る銃口は、
まるで牙を剥いた人食いザメのように、どす黒く艶めいた。

第6章に進む
第4章に戻る

原文


Chapter Five
Two Shots, And A Twist

Allen could barely see Cindy. The contours of her body were fuzzy, as if he couldn't quite pick up her signal. Cindy was Allen's girlfriend before he had died. They were supposed to have had brunch that very day. Having been beaten to death with a tire iron had not made Allen very optimistic about being able to reschedule. Cindy was now inside the art gallery crying on the shoulder of a slender young man named Pietro, whose real name was Peter. Peter / Pietro always wore black and had a mysterious growth of hair under his lower lip. His gallery show, called "New World Roadkill," consisted of black and white video images of animals squashed on the pavement. Pietro was a conceptual artist, and he had always had the hots for Cindy. The way he comforted the young blonde woman would have irked Allen even if he had still been alive.

Pietro cooed into Cindy's ear, "expel it. Grieve. Grieve. You have to cleanse yourself to visualize the future."

"Get your hands off my girl," Allen said aloud, though no one seemed to hear.

"I feel so responsible," Cindy sobbed. "I was waiting to tell him about us. I was going to do it today at brunch. But he's dead." Her nose was running and Pietro leaned away so she wouldn't get any snot on the front of his turtleneck. "Even if he was a dweeb, he doesn't deserve to be dead," she wailed.

Allen slumped against one of the TV monitors. Pietro looked up and almost toppled Cindy. The image of the monitor blurred. Pietro dissolving, evanescent dream of flattened yellow cat. Pietro couldn't take his eyes off himself. Allen leaned away from the TV and the image became clear instantly.

chap5ghostTV.jpg

"Huh!' Allen thought. "Just the opposite of real life. Touching the antenna used to make the TV clear." Once Pietro's image cleared up, he turned back to Cindy. "We mustn't be sentimental, cher. I don't mean to be callous but a dweeb when he dies is only... well, frankly, only a dead dweeb. We can't ennoble him... for slipping and falling in his tub."

Cindy looked sharply at Pietro. "You can't know he slipped and fell. The police didn't tell me that." Cindy's voice was hushed and she looked furtively around the gallery.

Pietro ignored her and walked to the wall and straightened the monitor showing a squashed raccoon. "Huh? Oh, I just heard about it." He winked at her and it gave Allen the creeps.

Willa walked into the gallery. She was more vivid than any of the other humans. Willa and Allen worked at the Forest Service together. They had been buddies, eating lunch together and sharing ideas for low cal desserts. Allen had never felt romantic about Willa and was afraid to think that she may have been as lonely as he was. He never thought of her as beautiful but now he could see her more clearly than anyone else. Her dark eyes sparkled like wet ebony.

"I know you two killed him," she said in a flat voice. "I just don't know how."

sharkeye.jpg
"Have a cup of coffee, dear." Cindy sniffed, and lifted the revolver from her lap, the hole in the end of the barrel as black as a shark's eye

Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


本日もこちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとうございます。

いつもお越しくださっているみなさまはもちろん、
そして今日初めてお越しくださったみなさま、
どうもありがとう。
これも何かの縁だと思うと、
なんだか幸せです。

コメントを頂けると、とても励みになります。
その際には、アドレスを頂ければ参りますので、
お手数でなければ、どうぞよろしくです。

Thank you,


Have a nice day!

Motohiro

[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。

僕のほうは、先日の引っ越しも無事に終わり、
時間があれば近所を散策してみたりと、
新しい環境を楽しんでおります。

プラス、毎日がこのところすごくすごく忙しくて、
同時に色々なことをこなすのは、
集中力の分配が難しいなと思ったりしています。

みなさまはいかがおすごしでしょうか?

さて、大変ご無沙汰しておりましたが、
本日はDeadman's Reach物語、第4章をお届けしたいと思います。
翻訳に関しては何ぶん素人ではありますが、
みなさまにとって、
何かしらの楽しみを感じていただけたら嬉しいです!

それでは始めさせていただきます。


第4章

『長い一日/Good, Strong And a Little Bitter』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


アレンが落ち込んでいるのには十分な理由があった。
まず、彼自身がどうやら死んでいるということ、
おそらくは仕事をクビになるだろうということ、
そして、さきほど刑事も言っていたが、
彼と別れたがっている彼女とのこと。
しかし、何より彼を落ち込ませているのは、
現場を検証しに来たはずのケチカン市の警察官たちが、
彼のすぐ目の前で、まさに喉から手が出るほど飲みたかった、
あのコーヒーを、それはそれはおいそうに飲んでいたということだ。
外は相変わらずの大粒の雨が降りしきっていたが、
彼は傘も持たず外に飛び出した。
少し外の雨にでもあたって、頭の中を整理したかったのだ。

ドアを出るとアレンは南に向かった。

何百という鮭の大群がすぐそこの川の上を飛んでいる。
銀色と紅の折り重なるうねりが、
滑らかな灰色の空へ飛び交っていく。
板張りの遊歩道の上では、
アイリッシュエルクがカッポカッポと、
足音を鳴り響かせていた。

観光客達はどうやら、
彼らのそのすぐ横にいる動物達には気づいていないようだ。

ゴミバケツに顔を突っ込んで、
鼻をフフンと鳴らしている、大きな牙を持ったクマ。
おっと、新入りのガイドだろうか。
フェルト生地でできた角のついた野球帽を被った男が、
観光客をまとめようと必死になっている。

「ハイ、そこ押さないでくださいね! 後ろの方、聞こえてますか~?」
野球帽の男が叫んでいる。

...アレンには関係のないことだ。
特に今はこっちだってつらいのだ。
「まっ、俺の分までがんばってくれ...。 俺の分まで...」
彼は口の中で何度か小さくつぶやいた。

その時だ。

突然、彼のいる少し前の方に、不思議な光りを放つ老人が見えた。
これにはアレンも驚いた。
老人はなにやら長い杖のようなものを持ち、
革製のベスト、それから頭にはバンダナを巻いており、
さらに肩の上には、
足に黒い毛の生えたフェレットがちょこんと乗っかっている。

アレンはその愛想よさそうに笑う不思議な老人のほうへ向かって、
走った。 あの老人は自分と同じ存在に違いない。
きっと何か話が出来るに違いない!
今朝のこの、うんざりするような出来事を聞いてもらおう。

頭上には、
北極に多く生息する*チャーの群れが泳いでいる。
*イワナ類の魚

老人は川底を覗いていた。
フェレットは彼の首のまわりをくるくると回っている。
っと、アレンが歩み寄ると、老人はゆっくりと口を開いた。
「お手洗いはどこだったかの?」

アレンは突然のことに当惑して、
「え? ええ? お手洗い...ですか??」
「あなたどうかしてるんじゃないですか! もしかして何も知らないんですね!」
老人は相変わらずほほえんでいる。
アレンの笑顔はちょっぴり引きつっている。
「ほほほ、若いの。 私も観光客じゃ。 君と同じな。」

アレンは泣きたくなった。

それから一旦気を落ち着けると、アレンの目に老人の革製のベストが見えた。
「ん? ボタンに何か書いてある」
よく見てみると、そのまあるいボタンには"IRONY"(皮肉)と書かれており、
斜めに線が入っている。

「それ、どういう意味ですか?」
アレンは老人に尋ねた。
「おっと、君こそ何もしらないんだな!」
老人はそういうと、くるりと背を向けて、
向こうへ歩き出してしまった。

アレンは思わず、歩き出した老人の手を掴んで叫んだ。
せっかく出会えた同胞だ。 
いてもたってもいられない気持ちを抑えきれなかった。
「お願いです! 行かないで下さい!」
彼は必死で頼んだ。
頭上では魚の群れが、まるで誰かが川面に向かって石を投げ入れた後みたいに、
ぱあっと散った。
「今日はホント、とんだ一日だ...」アレンは力なくうなだれた。

すると老人は足を止め、やさしくアレンに語りかけた。
「私たちだけではないのだよ」
そして、丘のほうへ指を指した。「みてごらんなさい」
アレンはその方向に目をやってみると、
なんと彼のガールフレンドのシンディがパトカーの中から、
両手で顔を深く覆いながら出て来るではないか。
彼女はすすり泣きながら、近くの喫茶店へ駆け込んでいった。

「もしかすると、君はあの喫茶店が、なにか君の死と関係があるのではないかと思っているのではないかね?」
その”NO IRONY”ボタンの老人は、にやりと笑った。
アレンは何か嫌な予感がした。 
こういうときには結構当たったりするものだ。
「おっとと、行かないほうが君のためかもしらんぞ?」

老人の声などは彼の耳には入らなかった。
アレンは彼女の入っていったその場所に向かって、
全速力で走り出した。


第5章に続く
第3章に戻る

原文

Chapter Four
Good, Strong And A Little Bitter

Allen was depressed. He had good reason to be. He was dead. He would probably lose his job, and his girlfriend who wanted to dump him. To top it all off, the Ketchikan police were drinking his coffee when they should be tracking his murderer. Allen decided to go for a walk and clear his head. He didn't even take his raincoat, that's how depressed he was.

Outside his door he turned south and saw hundreds of millions of salmon flying above the river. They slithered silver and red in the slick, gray sky. The Irish elk walked up the boardwalk with a labored percussive footfall. Tourists walked by unaware. The people seemed out of focus, like ghost images next to the vivid animals. A huge black bear with long saber-like teeth snuffled in a garbage can next to a tour group from the midwest. A man was trying to take a group shot of his companions wearing ball caps with felt antlers.

"No. Squeeze together and leave some place for me on the end," the tourist man yelled.

Allen didn't care. He was depressed. "Yeah, save a place for me, " he repeated gloomily to himself.

old-ghost.jpg

Suddenly Allen saw a vivid man. He was very old and was carrying a long staff. He had a black-footed ferret on his shoulder. The old man wore a leather vest and a head band. Allen ran to him and the old man smiled a heavy-lidded grin―sleepy and mysterious. A school of arctic char swarmed in the air above them both, and Allen thought he could feel the air eddy being the flash of their tails. The old man was a ghost, and Allen was certain he would be able to explain everything that was going on this really nutty morning.

The old man was staring out over the channel. The ferret curled around his neck. Finally the old man spoke. "Do they have public restrooms around here?" he asked.

Allen was flummoxed. "What? Restrooms? Are you crazy? Don't you know?" The old man smiled and his smile betrayed a life long patience. "I'm a visitor here. Just like you." Allen was about to start crying. Then he looked on the old man's leather vest. He wore a button that had the word IRONY with a red circle and a slash through it.

noirony.jpg

"What does that mean? 'No Irony'?" Allen asked in desperation.

"Oh, like you don't know!" the old man said, then turned and walked away.

Allen held his hand up as if in supplication. "Oh, please! Please don't go," he said plaintively, and the fish darted as if someone had thrown a rock into the air. "I'm really not myself today," Allen said weakly.

"Not many of us are," the No Irony ghost said, and pointed down the hill.

Allen looked where the ghost pointed and saw his girlfriend Cindy get out of a police car with her head buried in her hands. She was sobbing as she ran into the art gallery and coffee shop.

"I suppose you think the answer to your death is down in that coffee shop, don't you?" The No Irony ghost was grinning. "Oh, no. Don't go down there. That would be too obvious." The ghost rolled his eyes. Allen turned and ran.

Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.

©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


本日もこちらのスペースにいらしていただき、
ありがとうございます。

しばらく間が空いてしまいましたが、
よかったらまた遊びにいらしてくださいね。

お待ちしております。


have a nice day!

Motohiro


[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさま、こんにちは、こんばんは。

本日はDeadman's Reach物語。 第三章です。

趣味が高じて、翻訳に挑戦していますが、
なかなか言い回しって難しいですね。
言いたい事はわかるのだけれど、
これを日本語だとどう表現するのだろうと、
頭を使います。 
そんなわけで、うんうん言いながら、
気楽にやっておりますが、
何ぶん素人ゆえ、中には読みづらい部分もあるかとは思いますが、
何かしら、みなさまにとって、
楽しんでいただけたら幸いです。

では始めさせていただきます。


第3章

『実世界からやってきた刑事』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


巡回中の警官と、それから制服を着た刑事のような人が、
まるで清掃会社の職員みたいに、
アレンの部屋にずかずかと上がり込んで来た。
突然のことに、死んだ身のアレンとしては、
これは隠れるべきなのか、どうしたらよいのか考えあぐねていたが、
それ以前に、警察が自分の部屋にやって来たということだけで、
なんだか罪を犯した様な、
心臓がキュウっと締め付けられる思いだった。
”まてよ。 なにか悪い事をしたかな...?”
”いやいや、こういうときには、
とりあえずは弁護士を呼ぶべきだよな...”

「もしかしたらケチカン市の警官たちはこの実態のない自分に、
どうにかして手錠をかけようとしてるんじゃないだろうか!」


ところで、彼はそこにいる女性の刑事が、
今、自分の実態をスルリと通り抜けた時、
なにかを感じた。
漠然となにかこう、うまく言えないけれど、
彼女の所持している銃の金属感、
それに、そういえば彼等警察官が自分を通り抜ける度に感じる、
フラッシュライトの閃光がパッと広がっていくような感覚。
だけれど、彼女が自分を通り過ぎていくとき、
人間味というか、人のあたたかさ、みたいのを、
ちょこっと余計に感じた気がした。
アレンはまるで、
古びたバーでウイスキーを一杯やっているような気分だなとふと思った。

そこにいた女性の刑事が、
まるで借家を下見しにきた見物人みたいに自分の部屋を見回して言った。
「さてと、ここの大家が言うには、彼、
このところあまり家から出てなかったみたいじゃない?
それで友達もずいぶん心配していたそうね」

「ふ~ん」アレンはそれを聞いて悪い気はしなかった。


「いやだわ...」
彼の部屋に無造作においてある、
シミだらけのビーンバッグチェアを見つけた。
それから本棚の近くにはってある、
the Hootie and the Blowfish
(ロックバンド)のポスターにちらりと目をやってから、
刑事はゆっくりと喋り始めた。
「私の得た情報によれば、彼はどちらかっていうと、
いつでも一人になりたがってたようなタイプだったそうだけれど、
なんだか頷ける気がするわね...。
私から言わせてもらえば、自殺の線は非常に高いと言えるわ。」

そう言い終わると、
彼女はちょうど血のついているカーペットの近くに立っていて、
そこにあったそのロックバンドのポスターを眺めた。
”このバンド、なかなかよさそうじゃない。 
今度チェックしてみようかしらね”

バスタブのほうから部屋いっぱいに響き渡るほどの声がした。
「見つけましたよ! こっちです!」
部屋を調べていた警官からだ。
「こうして見る限り、
どう見てもここで足を滑らしたとしか思えないような感じですね...」

「ええ...、確かにそんな感じね...」
彼女はぼんやりと答えると、
それからキッチンのほうに向かっていった。

「あら、いい匂いがするわね。 
ねえ、コーヒーでもセットされてるのかしら。」
「一杯いかが?」
彼女はバスタブのあたりを調べている警官に聞いてみた。
「いえ、自分は結構です。 そういえば、
うちの母親はハーブティーしか飲ませてくれなかったもんです。 
あ、でも、しかしいい香りがしますね...」

警察官は話しながらも、
最初手帳に色々と書き込んでいたが、急にその手を止めた。
彼女の足元に血のついた工具類が転がっていたのだ。
彼は手に持っていたシャープペンシルの、
消しゴムの付いたほうで彼女の足元を指すと、
彼女に問いかけた。
「ところで、それ。 どう思われます?」

彼女はその足元に転がっている、
死んだ蛇みたいな工具にゆっくり目を落とした。
これはどうしたものか...。

- 静かなる沈黙が、まるで冷たい北風のように、
その彼らのいる部屋を包み込んで行く -

「...こうして工具類をそこらに散らかしてあるあたり、
典型的な鬱病のケースね。」
彼女は濃いめのコーヒーをカップに注ぎ始めると、
「...きっと、フラれたのね。」
 彼女はそう言って、彼女なりの推理を始めた。

「私が思うに、彼の彼女は、
彼が鬱なもんだから別れようとしたのね。 
タイヤ交換をしてるときだったようだけど、
それも途中になってる。 落ち込んだ彼はそれから...、
なんていうの? タイヤのナットだかに、
衝動的に殴りつけたかなにかして、
指を擦りむいてしまったので、
作業を中断して工具類を持って二階に上がってくる。 
あとは見ての通りね。 
お風呂場でうっかり足を滑らせたってとこかしら。」

警官は彼女の話を聞き終えると、
「まっ、そんなとこでしょうな。 
っじゃ、これにて一件落着ってとこですかね。」

「そんなバカな話があるかよ!」
アレンはひとまず話こそ聞いてはいたが、
彼等がこうも安易に納得してる様には、
さすがに焦りを隠しきれなかった。

しかしアレンがいくら叫ぼうが、
何かを伝えようと必死になってみようが、
現世との間には遠い壁があるのだ。

彼等の耳には届くはずもなかった。


第4章に続く
第2章に戻る

原文

Chapter Three
Wake Up and Smell the Detectives

A detective and a patrolman pushed their way into his room as if they were from housekeeping. Being dead, Allen didn't know if he should hide himself or not, for as the street cop lumbered into the room Allen felt guilty. Would they try and arrest him? Did he need a lawyer? Had the Ketchikan police department figured out how to handcuff an insubstantial spirit?

He was sorting these things out as the cop walked through him, followed quickly by the woman detective. He vaguely felt the bite of the metal gun and the flashlight as they passed through, but the detective's body, her humanness was more a warm sensation running through Allen's being. Having her inside him felt like drinking cheap whiskey.

The detective looked around the apartment like a prospective renter. "All right. The landlady says he hasn't been out of his room for days, and his friend is worried."

"That's nice." Allen thought.

"Oh my God!" the detective drawled as she looked at his beanbag chair and the Hootie and the Blowfish poster near the bookshelf. "No wonder the landlady said he was a loner type. High suicide risk if you ask me." She was standing on the bloody patch of carpet reading the fine print on the poster. "Criminy. I mean, Blowfish. I'd be tempted to check myself out too."

murderweapon.jpg

The patrolman called from the bathroom. "We got him," he said in a voice full of pride at being able to track down a rotting corpse in a studio apartment, "Looks like a slip and fall to me."

"Yeah, that makes sense," the detective said absently, turning herself toward the kitchen. "Say, is that coffee on? It smells great. You wanna cup?"

"No thanks, Lieutenant. My mom has me drinking herbal tea. But it does smell great. Uh-oh..." The patrolman had been writing in his pocket notebook but he stopped. Looking at the bloody tire iron under the detective's feet, he pointed with the eraser end of his mechanical pencil. "What do you think, Lieutenant?"

The detective looked down and considered the implement resting like a dead snake on the shag carpet. Neither of them said a thing, and the silence seeped into the room like a winter chill.

"I think it's typical for a depressed person not to put their tools away." She poured herself a cup of the wonderfully strong coffee. "It's pretty clear. He's a loser. His girlfriend is trying to dump him. He's depressed. When he tries change his own tire, he can't even get that done. He scrapes his knuckles on the lug nuts. He brings the tire iron upstairs. Then, seeing how pathetic his life has become, he decides to slip and fall in the shower."

The patrolman eyed his superior officer for a long heartbeat. "Yeah, that about wraps it up then," he said, unable to hear Allen's baleful screaming from the other side of the grave, or to feel death's cold fingers around his own throat.

Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.

©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.



今回は前回に比べると、
言い回しの表現がとても難しかったです。

でも、こうしてとりあえず始めてみました企画ですが、
なかなか勉強になり、楽しいものです。 

僕らの毎日は、
様々な感情のうねりと共に在り、
そしてそれぞれが、
それぞれのドラマを背負い生きているのだと思っています。

日々、ひとつとして同じ今日はなく、
かけがえのないものですね。

本日もこちらのスペースにお越し下さり、
ありがとうございました。

不定期ではありますが、
少しづつ更新しております。
みなさまにとって、なにかしら面白いと感じていただければ、
とてもうれしいです!

またのお越しをお待ちしております!!

Have a nice day!


Moto


[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。

本日はDeadman's Reach ”全12章の物語”の第2章です。

なにぶん素人なので、細かいニュアンスは意訳によるところが多く、
読みづらいところもあるかとは思いますが、
気楽に楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、始めさせていただきます。


第2章

『Two Take It Black』


:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


足音がアレンの部屋に近づいてきた。
「ここです! ここ! 私はここで殺されてます!」
彼はチカラいっぱい大きい声で叫んだ。
とは言ってみたものの、実際には彼自身も、
自分の声が誰かに届くのかどうかは自信がなかった。
「やめだ、やめだ」
アレンはあきらめて、テレビの前のビーンバッグチェアにどさっと腰を下ろした。
「有給も使いきっちゃってたし、
なかなかこんなにゆっくりと休暇をとることもできそうにないしな」

丁度コーヒーも出来上がっているようだったが、
アレンはセットしてあったコーヒーのことや、
ついでに自分が殺されているなどということはすっかり忘れていた。

絨毯の上には誰かが慌てて拭った血のあとがしっかりと残っており、
彼の部屋の本棚は荒らされ、
高校の卒業アルバムは魚の干物みたいに大の字に広がって落ちている。

「そういえば...。」
彼は思い返していた。
シンディだけが卒業式に一言書いてくれたっけ。

アレンは大人になってからも、
シンディのことばかり考えていた。
社会人になってからも、
あの卒業アルバムは彼の最も大切にしていたもののひとつだった。

そしてもうすぐ、アレンの30回目の誕生日がやってくるころだ。
生きていれば、次の誕生日で30才になるはずだった。


アレンはたいがいのことについては、全てにおいて前向きな人だった。
「誰が俺を殺ったのかは知らないけれど、
少なくとも絨毯を綺麗にしようとしてくれたことについては評価しようじゃないか」
今もこうして、
自分が殺されたということについてもこんな調子だ。

それから彼は自身の顔を両手で覆うと、
「まあ考えてみればよ」
彼は彼自身に言い聞かせるようにつぶやいた。
「俺はもう死んだ身だ。 これは自分自身で納得しなけりゃならない。
それに、これからは部屋を綺麗にする必要性もないってなわけだ。
おそらく、永遠にもう...」

彼は振り返ると、気を取り直して
食器棚にかかっている、コーヒーカップに手をのばした。

...しかしやはり彼の手は、カップには届かず、
まるで2つの雲が入り混じるような感覚だけが残るばかりだ。

もう一度、彼は手を伸ばした。

無情にも、彼の手には物理的な感触はなく、
現世へとの間には遠い壁が立ちはだかるかのようであった。

「なんてこった...」
アレンは力なくうなだれた。

「いつもなら、今この瞬間、すぐにでもコーヒーカップに手を伸ばせるのに...」

ちょうどその時だ。

階段を上がって来る足音は、
アレンの部屋の前で止まると、
それからガチャリと音がして、ドアノブが回った。


第3章へと続く
第1章に戻る

原文



Chapter Two

”Two Take It Black”

Someone was walking towards Allen's door. "I've been murdered!" Allen said aloud, although he wasn't sure if anyone could actually hear him now that he was dead. "I really can't afford this." He sat down on the beanbag chair in front of his TV. "I've used up all my sick leave and I just don't think I can use vacation time for something like this". The coffee had just finished brewing but Allen didn't remember having put the pot on. He didn't remember being murdered for that matter. There was a wet spot on the rug where someone had tried to clean up the blood stain. His bookshelf had been ransacked and his high school yearbook was sprawled on the floor like a dried fish. Cindy had been the only one to sign it on the day of their high school graduation. This fact alone had caused Allen to pursue Cindy for most of his adult life. He would have been 30 on his next birthday and, sadly, this yearbook was his most prized possession.

yearbook.jpg

Allen had spent most of his adult life putting a positive spin on everything, which he tried to do with the facts surrounding his own murder. "It was nice of whoever it was to at least try and clean the rug," Allen thought. Then he buried his face in his hands. "Listen to me," he said. "I'm dead. I've got to deal with this. I'm never going to get my cleaning deposit back. That kind of thing just doesn't matter anymore."

He turned and tried to reach for a cup hanging from a brass hook under his cupboard. His hand passed through the cup, like two clouds commingling. He tried again, but he had no physical presence despite somehow still being in the physical world.

"This is a drag, " Allen mumbled. "I could really use a cup of coffee right about now."

Just then he heard footsteps on the landing outside his door and the rattle of keys on a chain.



Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.



本日もこちらのスペースにいらしていただき、
ありがとうございます。
楽しみの延長で、不定期に更新しておりますが、
みなさまにとって、なにかしら面白いと感じていただければ、
うれしいです!

またのお越しをお待ちしております!!


Motohiro


[RSS] [Admin] [NewEntry]

みなさん、こんにちは、こんばんは。

遂にこの日が来たということで、
個人的にはとても嬉しい気持ちでいっぱいです。

もう何年か前になりますが、
小沢征爾さんも在籍していらっしゃいました、
ボストンシンフォニーのホールのすぐとなりに、
Whole Foodsという、有機野菜など、
いいものを積極的に扱っているスーパーマーケットがありまして、
そこである日出会って以来、
僕を虜にしてやまない珈琲があります。

とにかく印象的で、それはそれは美味しかったです。
最近はここいらでは、買えなくなってしまいましたが、
この珈琲だけは、
定期的に注文をしては、取り寄せております。

その珈琲の名は、
「Deadman's Reach」。
(商品については、
日本ではまだあまり知られていないようで、
現在はアメリカとカナダのみの取り扱いとなっておりますが、
将来に期待したいですね)

その珈琲を生産、販売していらっしゃいますのが、
アラスカにあります、
Raven's Brew Coffee, Inc.というところなのですが、
そこには、ちょっとしたミステリーな物語がありまして、
このブログを通じて、
その物語と、なにより僕自身がファンであります、
おいしい珈琲を、
沢山の人に知ってもらいたいと会社様に提案したところ、
快く承知してくださいましたので、
全12章の物語を、
今日から少しづつ、不定期ですが、
英語から日本語に翻訳してお届けいたします。

なにぶん素人なので、細かいニュアンスは意訳によるところが多く、
読みづらいところもあるかとは思いますが、
気楽に楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、始めさせていただきます。


第1章

『死人に口なしとは俺のこと』


:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


「”死”ってのがこんな具合だとはね」

 アレンは足をぶらぶらとさせながら、物思いに耽っていた。
「なんていうか、
映りの悪いおんぼろテレビをぼけっと眺めているようだけれど、
幸いにもまだコーヒーの匂いだけは感じるようだ」

 雨はまるで彼の人生そのものを象徴しているかのように、
乾いた豆鉄砲みたいにブリキの屋根を打ち鳴らしているし、
バスタブのまわりなどは、...それはもうひどい有様で、
ゴキブリが這いずり回った後みたいに、染みついたカビで覆われていた。
 彼はそのバスタブの中にあおむけに横たわっており、
愛用のすべすべした緑色の石けんは、
汚らしい銀メッキの受け皿にしっかりと収まっている。
そのまわりにこびりついて、
チョークみたいに白くなっている汚れも、いつも通りの光景だ.

「ったくよ...」 彼は一人そうつぶやくと、その有様を見て思った。
「...ちっと掃除でもするかな」

 それからふと、目を下にやってみると、
彼は彼自身の隣で見下ろす形で立っており、
そこにはおびただしいほどの血が床にしたたっている。
アレンはテーブルの上にセットしてあったコーヒーメーカーを、
思い出した。
「...っまあ、とにかくはそこのコーヒーを飲んでからにしよう。 
間違いない、そうでもしなきゃやってらんないってなもんよ」

 生前、アレンが野生保護観察区域の案内人をしていたころ、
彼はよくログハウススタイルのカウンターの後ろに座って、
観光客相手に、彼自身もまだ見たことのない、
野生動物達について語ったものだった。

 しかし、今となっては彼は死人だ。
彼らがどこにいようとも、アレンにとってはさほど大きな問題ではない。
その気になればどこにでも探しに行くことができるのだ。

 彼はキッチンに立つと、
シンク越しに見えるケチカンの町
(アラスカ最南端でカナダとの国境付近にある街)
を見下ろした。
その忘れようもない、彼自身が生きていたその町を。
何も変わらない。
...ただ、唯一そこに見える、
おそらくは現世からでは見ることのできなかったであろう、
窓越しに見える遊覧大型客船を、
悠々と横切る *アイリッシュ・エルク を除いては。

* 約9000年前に絶滅した大きな角をもったシカ。


 アレンはそれから左のほうに首をもたげると、
いつだったか、
彼が道ばたで拾ってきたおんぼろテレビの上からこちらを見つめる、
一羽の **リョコウバトと、
まるで裁判所からのしのしと出てくる、
ふとっちょの法廷弁護士みたいな顔をした、
*** ショートフェイス・ベアを見つけた。

**19世紀後半あたりまで多く存在していたハトの一種。 
1901年に絶滅したとされる
*** およそ1万年前に絶滅したとされるクマ科の動物


「どうなってんだ、いったい...。」彼は不思議に思った。
「しかしこりゃ驚いたな。 
どれもみんな絶滅してる動物ばかりじゃないか...。」

「それに、今日の観光客は、...どうやら俺だけのようだな。」
彼はひとりそうつぶやくと、コーヒーポットに手を伸ばした。

しかし、無情にも彼の手はスルリとそれを通り抜けてしまうのだった。

その時だ。
遠ざかる何かの気配を感じたので、
アレンは少し耳を傾けてみると、
階段を降りて玄関へと向かう、人の足音が聞こえる。
そして、
その彼の足下のけばけばとしたカーペットの上に無造作に置いてある、
血の付いたタイヤ交換用の工具類に気が付いた。
「ちくしょう! どうなってんだ!!」
アレンはたまらない気持ちになって、部屋の中に叫び散らした。

黄色いインコが彼の部屋の開けっぱなしになっている窓から、
バタバタと羽音を残し飛び去って行った。


それからその足音の主は玄関のあたりで一旦止まると、
こちらに向かって引き返してきた。


第2章へと続く


原文


Chapter One
No More For Me, I'm Dead


"I never thought death would be like this," Allen thought to himself as he swung his feet out of his body. "It's like watching a cheap TV with bad reception, only I can still smell the coffee."

The rain fell like dried beans on his tin roof as it had done in life, and the mold grew in roach-like splotches on the grout around his bathtub as it always had. He was lying on his back in the tub and the slick sliver of green hand soap was safely cupped in its scummy chrome holder. The ring of chalky grime on the porcelain surface was the same as it ever was.

corpse.jpg

"Man...," he thought, "I've got to clean this place up."

It was then he noticed that he was standing next to his body looking down at himself and there was blood tracked across the floor. "But first I've got to have a cup of that coffee. I'm sure it will make things look better."

When he was alive, Allen had been a wildlife interpreter for the Forest Service. He used to sit behind a log cabin style counter talking to tourists about animals that he had actually never seen. Now that he was dead,he saw animals everywhere. Standing next to his kitchen sink he looked over the city of Ketchikan which appeared to be remarkably like it had been before he had died, except there was an Irish elk walking down the cruise ship dock without a soul in the world taking notice. Craning his head to the left, Allen saw a passenger pigeon perched on his cable TV feed from the street and a short-faced bear waddling like a fat barrister down the hill from the court house.

"I don't get it...," he thought. "These are all extinct species. I'm only a GS-four." He reached for the coffee pot, but his hand passed right through it. Allen cocked his head to hear footsteps fading down the hall. "Aw, cripes!" he said aloud as he noticed the bloody tire iron on the shag carpet. A yellow parakeet fluttered out the open window. Whoever was walking down the hall stopped, then doubled back.


Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.



本日もこちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとう。

楽しみの延長で更新しておりますが、
みなさまにとって、
少しでも「楽し味」を感じて頂けるものであれば、
うれしいな。


Motohiro


[RSS] [Admin] [NewEntry]

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。