Deadman's Reach 第七章 / Raven's Brew Coffee, Inc.

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みなさん、こんにちは、こんばんは。

毎日、寒い日が続いています。
先日はうちのほうも雪が降りましたが、
みなさま、いかがお過ごしでしょうか??

さて、久しぶりになりましたが、今日は、
Deadman's Reach物語、第7章をお届けしたいと思います。

随分と間が開いてしまいました。
もしよろしければ、始めからどうぞ~。
第一章はこちらから

何ぶん素人の翻訳で、
読みづらいところもあるかもしれませんが、
できるだけ著者の意図を汲み、
大切に訳したつもりです。 
みなさまにとって、なにかしら面白いものであれば、
嬉しいな。

では始めさせていただきます。

第7章

『Fresh Ground』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto

アレンは部屋を飛び出した。 
殺されたのだ。
もはや、これは間違いないだろう。
地球に存在するほとんどの人間は、彼とは違って実態を持つのだ。

ウィラはテーブルのすぐ横で、
しっかりとシンディを見据えている。

「なんで私なのよ、まったく...」
シンディは口をとがらせた。
「あんたねっ!!」
彼女のあまりに無責任な態度には、
よっぽど言いたいことは沢山あったけれど、
それ以上はぐっと言葉を飲み込んだ。
今はあまりカッとなってはいけない。 落ち着くのだ。


奥から、釣り具をぶらさげた黒ぶち眼鏡のずんぐりとした男が、
ギャラリーに入ってきた。

それからあたりに展示されている、
動物達のかわいそうな有様に目を通すと、
思わず両の目の間にしわが寄った。
まるで、酸化した牛乳の匂いを間近で嗅いでしまった後のような様子だ。

「...あのう、私、ジニー Cと申しますが...」
ギャラリーにいたシンディとウィラに気づくと、
ひどく申し訳なさそうに、ボソボソと何かしゃべりかけてきた。
「いや実はですね...、
この辺りで変わったTシャツを売っているお店があると聞きましてね、
尋ねて来たんだけど...ご存知ですかね...?」
「うちの従業員達がすごく欲しいって言うもんだから...」

シンディは鼻をすすりつつティッシュに手を伸ばしながら答えた。
「反対側の通りよ」

ウィラはそんな様子などまるで見えてもいない様子だ。
ハイヒールのかかとをくるりと返すと、シンディに向き合った。
「あなたのことなんてどうでもいいの。 これは殺人事件なのよ」
「今大事なのは、彼と彼の家族のことね。 
私はこれから伺ってみるつもりよ」
そう言い残すと、彼女はすすり泣くシンディに背を向けて、
出口に向かった。
「今度あなたに会うのは刑務所かしらね」
肩越しに彼女にそう言い残すと、
ギャラリーを後にした。

ストリートはまるで彼女の心の内を反映するかのように、
時にやさしく、また時にはげしく、むせびないているかのようだ。
アレンは彼の実家に向かう彼女に伴って、雨の歩道へと歩き出した。


彼の足取りは重かった。
それもそのはずだ。 悲しみにくれる家族の姿が、
ありありと浮かんで来る。 今では手に取る様にわかるのだ。
自分はもうこの世には ”存在しない” 人間なのだ。

彼の母親はエプロンをしたまま目を真っ赤にして、
ソファに横たわっていた。
父親はずぶぬれのブーツに、いつもの作業着のままだ。
椅子に腰掛け、さっきからずっと天井を眺めている。

つけっぱなしのテレビから、天気予報が流れているようだ。

アレンが近づくと、テレビの画像がザザザと揺れた。
彼は、アンテナを直しにきた彼の妹の肩にそっと触れようとしたけれど、
やはりその手は彼女をすり抜けた。
しかし、なにかを感じたのだ。
もしかしたら彼女は自分に気づいたのではないだろうか。

彼女が少し笑った。

「おにいちゃんはここにいるわ!」

「あなた...」
ウィラはそっと彼女に近づくと、
やさしく微笑み、ゆっくりと肩に手を置いた。 
それからアレンはその手に自分の手を重ねた。
その瞬間だ。
ゾッとするような寒気が背筋を駆け抜けた。

あわてて、ウィラが手を離す。
「!!?」
「...もしかすると、...本当に、そうかもしれないわね...」
今の彼女には、そう言うのがやっとだった。


部屋の片隅にある、食器棚のすぐ後ろには、
年老いたインディアンの男が腰掛けていた。
首のまわりには、足下だけ黒い毛をしたフレットが、
くるくると回っている。
”さっきのじいさんか” アレンは思った。
相変わらずの様子で、
胸には「No Irony(皮肉は言わないで)」と書かれたバッチを付けている。
彼の左手にはコーヒーカップ、
それからひざの上には野菜スティックの入った器を抱えているようだ。

彼はアレンを見ると、
人参のスティックを持ったまま、
こちらに向かってにこにこと手を振って来た。

「こいつはアサリのソースじゃよ」
No Ironyの老人が言った。

「なかなかイケルもんだの」

「ところで知ってるかな? 
いらいらしたり、嘆いたりすると、余計に腹は空くものさ」

アレンの頭の中は様々なことが交錯していてそれどころではなかったが、
ぼんやりと頷いた。

「少し外へ行かんかね?」老人は彼をそっと促すと、こう言った。
「自分自身で全部食べちまうまえにな」

二人は玄関の戸を抜けて、雨の降りしきる通りへと向かった。

その時だ。

ちょうどアレンの左方向から、何かがもの凄い勢いで向かって来る。
アレンは思わず目を疑った。

茶色の毛並み、見るからに獰猛なクマが、
こちらに向かって猛突進してくるではないか。


むき出しの、ギラギラと艶光る牙。
荒々しい野生の息づかいは生暖かく、
冷たい夜の静寂をなめ回すかのようだ。

けたたましい足音は、みるみる近づいてくる。
荒れ狂う猛獣は、今、まさに獲物を捕らえる距離にある。

アレンは目を閉じた。 


第8章へ進む
第6章に戻る

原文


Chapter Seven
Fresh Ground

Allen ran from the room where Pietro was burning the bloody clothes. Allen was certain now he had been murdered, and he knew that some humans left on earth were more substantial than others. Willa was vivid and clear as she stood next to the table confronting Cindy, who appeared to be a ghost image on a cheap TV.

"Why did this have to happen to me?" Cindy moaned. "To you!" Willa snorted.

A stocky fisherman wearing dark glasses walked into the gallery. He looked at the images of dead animals and wrinkled his nose as if testing sour milk. "I'm off the Ginny C. I was looking for that weird T-shirt place, you know. My crew wants some of those fish things," he mumbled almost apologetically.

Even though Cindy was crying, she motioned with her knotted tissue. "The other end of the street," she replied. Willa turned on her heels. "This isn't about you. It's about murder. It's about Allen and his family. I'm going there now." Willa turned and walked out into the street where a gentle rain squall was blowing through. "I'll see you in jail," she called out over her shoulder as she put her hood up. Allen followed her to the home of his parents.

Later he wished he hadn't. All the grieving people were vivid. More clear than any of the other living ghost people he could see now that he was dead. His mother's eyes were rimmed in red and she was wearing her housecoat in the middle of the day, lying on the couch with her eyes open. His father was wearing his work clothes with his logging boots unlaced. He sat back in his lounge chair staring up at the ceiling. The weather channel was on TV and as Allen walked past the set, the reception blurred. His sister stood up and fiddled with the antenna. Allen laced his fingers through hers and thought he detected her smile.

"He's here," Allen's sister whispered.

Willa stood next to her and put her arms around the girl's shoulder. When Allen touched them both, they stiffened. Willa shuddered.

"I think you're right" was all Willa could say.

In the corner of the room the old Indian man with the black-footed ferret around his neck was sitting in the straight back chair next to the sideboard. The old man was still wearing the "No Irony" button. He had a cup of coffee in his left hand and a bowl of dip on his lap. He smiled at Allen and gaily waved a carrot stick.

"It's clam dip," the old man said. "I brought it with me. Grief makes you hungry. Did you ever notice that?"

Allen nodded absently.

"Let's get out of here then," the old ghost said, "before I eat myself to death."

As they stepped off the porch onto the street, Allen looked to his left and saw the dark form of a brown bear running hard towards them. The bear's teeth sparked; its hot breath pumped into the cold night air. Allen closed his eyes and listened to the charging footfall of claws scraping the sidewalk.



Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


いつもご覧になってくれているみなさま、
今日初めて起こしくださったみなさま、
本日は、こちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとうございました。

よかったらまた、遊びにいらしてくださいね。
お待ちしています!

今日が、みんなにとって、
いい一日でありますように。


Motohiro

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コメント
この記事へのコメント
これは最初から読まないと・・・ですね。

少しずつ、楽しませて頂きます☆
2008/01/28(月) 00:55 | URL | poko #-[ 編集]
本は面白いですよね (´艸`o)゚.+:
私もまた新しい本読もうかな☆
続き楽しみにしてますww
2008/01/28(月) 19:51 | URL | 玲那 #-[ 編集]
>pokoさん

翻訳ってなかなか難しいです。
まだまだ勉強中ですが、
楽しい読み物になれば、
嬉しいな。

いつでも遊びにいらしてくださいネ!
お待ちしてます!
2008/01/29(火) 11:49 | URL | Moto #-[ 編集]
>玲那ちゃん

本て面白いよね~。
おいらも何か読んでみようかな~。
2008/01/29(火) 11:51 | URL | Moto #-[ 編集]
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