Deadman's Reach 第八章 / Raven's Brew Coffee, Inc.

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みなさん、こんにちは、こんばんは。

夏らしい気候になってまいりました。
僕は夏が大好きです。
機会あれば、今年こそ海にでも行きたいなあ~。

さて、大変久々の更新となりましたが、
本日は、デッドマンズリーチ物語の第八章をお届けしたいと思います。

第一章はこちらから

何ぶん素人の翻訳で、
読みづらいところなどあるかもしれませんが、
みなさまにとって、なにかしら面白いと感じていただければ幸いです。

それでは始めさせていただきます。


第8章

『とめどなく』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


「いいかい。よく聞くんだ」
老人はその迫り来る獣のほうに向き直ると、
そうアレンに告げた。

「お前さんはもう死んでおる。 
というより、まあ”死に損ない”といったとこじゃがな」
「しかしワシはな、君ならきっと見つける事ができると思っとる」

やや時間があり、
アレンはおそるおそる目を開けた。
するとそこには、なんとあの獰猛そのもの見えた大きな熊が、
鼻をフンフンと鳴らしながら、
老人の持っているアサリソースのボウルに顔を突っ込んでいるではないか。

老人は相変わらずの様子で、
アレンに向かってゆっくりとうなずいてみせた。
「死の直前でお前は、
かけがえのない愛の存在によって、この世につなぎ止められたのだよ」

彼は懐のボウルをむさぼっている大きな熊の、
そのゴツゴツと隆起した背中をそっとなでてやると、
それから歩道に向かって歩き出した。
アレンもつられる様にして、老人に付いて行く。
「ははは。その顔を見ればわかるぞ、
老人が何をおかしなことを言っているのかと思っているんじゃな?」

「お前が今この”死語の世界”という場所に存在しているということについては、
おそらくはすでに気づいているとは思うがの、
それは本来の在り方ではないのじゃ。 理由は聞かないでくれ。
それについてはワシにもよく分からんのだ」

何から何まで、分からないことばかりだ。

「...それで、あなたは一体何者なんですか?」
アレンは老人に尋ねた。

「おっと、これは失礼。 私の名前はボブだ。 よろしくな」
老人はアレンに手を伸ばしてきた。
アレンはその手を握り返そうとするのだが、
どうしたことだろう。
まるで雲をつかむような感覚だ。

「ハハハ。 面白いだろう?」

「これだから止められんのだ」
面食らったアレンの顔をみて、老人はニヤっと笑った。


「それはそうと、そのボタンはどういう意味なんですか? 皮肉は禁止?」
アレンはずっと気になっていたのだ。

それを聞いた老人は、頭を左右に少し振り、
それから口元を一文字にキュッとしめると、
ゆっくりとため息をついた。

「これかい?」
「ワシにもよくわからないのだが、ひとつ言えることは、
神様は皮肉がお好きだと言うことじゃ」
そう言うと、ボブという名の老人は,
向こうから歩いて来た黒い尾尻の鹿の群れをよけるために、歩道に降りた。
もちろんアレンも老人に従ってそれをよける。

「君はどう思うね?」
「自然食品に野生保護観察区域、それからノンカフェインの珈琲。
それらについて私たち人類は日夜翻弄されているという事実についてを!」
老人の話は続く。

「神様はただ、皮肉が好きなのさ。 
嫌みや中傷でなく、ただ皮肉が好きなのさ...」

「それなら...、
なぜそのボタンには”皮肉は禁止”と書かれているんですか?」
と、アレン。

それを聞いた老人はまるで驚きを隠せないといった様子で、
アレンをまじまじと見つめると、こう言った。
「まさかお前さんは、冗談を言っているのではあるまいね?」

黒毛のフェレットは夢見心地のような表情で、
老人の頭の周りをぐるぐると回っている。

ferret_20080707133535.jpg

「...そもそも、神様なんているんですかね?」
アレンは恐る恐る聞いてみた。

老人は明らかに苛立っているようだ。
あからさまに深いため息をつくと、
アレンを促した。

「仕方がない。 お前を一度、本当の死に直面させる必要があるようじゃ」
「お前さんは未だ、何が起きているかを理解していないようだの。
神様うんぬんについては、それからじゃ。」

「オーケイ。 
それで私はどうやって、その本当の死というものに直面すればいいんですか?」
アレンは半ば投げやりになり始めていた。 
無理もないだろう。
あまりに不可思議なことが立て続けに起こっているのだ。 
事情など分かろうはずもない。

「お前さんはまず、自身に対する”愛の存在”を証明しなければなるまい」

老人は、
頭上をゆっくりと通り過ぎる、
スネールダーター・フィッシュを上目にやり過ごすと、
事も無げにそう言った。

「それで、どうやって?」
さすがにアレンも少し苛立ってきた。

「同輩よ!」

突然、老人が大声を上げた。

「君はなんでも私に聞けばよいと思っているようだが、
考えてもみなさい! 
こうなったことについて、そしてこの問題を解決することについては、
君にもなにかしらの責任があるはずだ!」


「...ごめんなさい。 そんなつもりじゃ...」
アレンは素直に謝るとうなだれた。 彼の声は今にも途切れそうなほどだ。

突然立ちこめて来るやり場のない苛立ちと悲しみ、
それから自分の無力さを思うと、
アレンの目は今にも涙で溢れそうになった。


「そう悲観的になりなさんな」
ボブは今度はやさしく彼に話しかけた。
うつむいたアレンの下唇は震えている。
大粒の涙がこぼれ落ちた。


「ほらほら、元気だして」

ボブはアレンに近づくと、彼の肩にゆっくりと手を回した。
「私も力になるから。 大丈夫。 大丈夫」
「さあ、いつまでもしんみりばかりしているわけにも行かないだろう」

路上ではジニー・Cという男が、
女性観光客の目の前に突然現れて、
彼が先ほど購入したという新しいTシャツを見せて驚かせていた。
8showshirt_20080707133449.jpg

「まずは、君をこんな状態にした張本人を探しに行こうじゃないか」
彼らはジニー・Cを通り抜けて、歩き出した。


第9章へ進む
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原文

Chapter Eight
Unlimited Refills
"Look, here's the deal," the old ghost said to Allen as they turned toward the sound of the charging bear. "You're dead. Well, nearly dead, but I guess you figured that out."

Allen opened his eyes and saw the brown bear snuffling its snout into the old man's container of clam dip. The old man nodded as he spoke. "When you're nearly dead, you are haunted by the beings most deserving of love." The old man reached up and patted the huge muscled hump of the bear and walked down off the curb to go around it. "I know that sounds bass ackwards. You probably figured that post-life you would get to do the haunting, but that's not the way it is and don't ask me why. I don't know."

Allen shook his head. "And you are...?"

"Oh, sorry. I'm Bob." The old ghost held out his hand but when Allen reached out to clasp it their grip dissolved. The old man grinned. "You know, I love that. I never get tired of being dead," he tittered.

"What does that button mean: No Irony?" Allen asked. The old ghost shook his head patiently but with a slight gesture of irritation. "This? Well I don't really know. I do know God loves irony." The old ghost sidestepped a family of blacktailed deer walking up the sidewalk. Allen followed as the old ghost kept on. "I mean, that must be pretty obvious. How else can you explain most of human behavior: 'natural' food, wilderness preserves, decaffeinated coffee for crying out loud! I mean, God just loves irony...hates sarcasm...but loves irony."

"Then why does your button say 'No Irony'?"

The old ghost stood flat-footed and stared at him. The black-footed ferret lifted up his head dreamily. "You're kidding, right?" the ghost asked.

"Then there really is a God?" Allen asked timidly.

Bob the No Irony ghost let out an exasperated sigh. "Let's get you really dead first and then we'll go on to the God thing. You're not ready for the big picture just yet."

"Okay. So how do I get all the way dead then?" Allen asked, truly not knowing the answer.

"You have to prove your love for the deserving spirits," Bob the No Irony ghost said matter-of-factly as he sidestepped a group of tiny snail darters wriggling in the damp air ahead of him.

"And how do I do that?" Allen asked, beginning to get a little peeved.

"Hey, fella!" Bob the No Irony ghost shouted. "This isn't an open book quiz, you know! I don't just give out the answers. You have a little bit of responsibility here." "I'm sorry," Allen said, and his voice was soft. For the first time since his murder Allen was going to cry.

"Now don't sulk," the ghost said. He stood back and watched as Allen's shoulders slumped and his lower lip started to quiver. "Oh, cut it out," said Bob the No Irony ghost. "I'll help you. I'll help you. First we have to find the people who made you nearly dead in the first place." He tried to put his arm around Allen's shoulder as they stepped right through a crewman off the Ginny C who was showing a stunned tourist lady his new T-shirt.


Deadman's Reach Novelette © John Straley
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by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


いつも遊びにいらしてくれるみなさま、
本当にありがとう。
今日、始めてのみなさま、こんにちは。

自分の楽しみのひとつとして、
こうして更新しておりますが、
みなさまにとって、
なにかしら面白いって思っていただけるものであれば、
うれしいな。

これからもどうぞよろしくね。

& enjoy your day!!


Motohiro

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