Deadman's Reach 第一章 / Raven's Brew Coffee, Inc.

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みなさん、こんにちは、こんばんは。

遂にこの日が来たということで、
個人的にはとても嬉しい気持ちでいっぱいです。

もう何年か前になりますが、
小沢征爾さんも在籍していらっしゃいました、
ボストンシンフォニーのホールのすぐとなりに、
Whole Foodsという、有機野菜など、
いいものを積極的に扱っているスーパーマーケットがありまして、
そこである日出会って以来、
僕を虜にしてやまない珈琲があります。

とにかく印象的で、それはそれは美味しかったです。
最近はここいらでは、買えなくなってしまいましたが、
この珈琲だけは、
定期的に注文をしては、取り寄せております。

その珈琲の名は、
「Deadman's Reach」。
(商品については、
日本ではまだあまり知られていないようで、
現在はアメリカとカナダのみの取り扱いとなっておりますが、
将来に期待したいですね)

その珈琲を生産、販売していらっしゃいますのが、
アラスカにあります、
Raven's Brew Coffee, Inc.というところなのですが、
そこには、ちょっとしたミステリーな物語がありまして、
このブログを通じて、
その物語と、なにより僕自身がファンであります、
おいしい珈琲を、
沢山の人に知ってもらいたいと会社様に提案したところ、
快く承知してくださいましたので、
全12章の物語を、
今日から少しづつ、不定期ですが、
英語から日本語に翻訳してお届けいたします。

なにぶん素人なので、細かいニュアンスは意訳によるところが多く、
読みづらいところもあるかとは思いますが、
気楽に楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、始めさせていただきます。


第1章

『死人に口なしとは俺のこと』


:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


「”死”ってのがこんな具合だとはね」

 アレンは足をぶらぶらとさせながら、物思いに耽っていた。
「なんていうか、
映りの悪いおんぼろテレビをぼけっと眺めているようだけれど、
幸いにもまだコーヒーの匂いだけは感じるようだ」

 雨はまるで彼の人生そのものを象徴しているかのように、
乾いた豆鉄砲みたいにブリキの屋根を打ち鳴らしているし、
バスタブのまわりなどは、...それはもうひどい有様で、
ゴキブリが這いずり回った後みたいに、染みついたカビで覆われていた。
 彼はそのバスタブの中にあおむけに横たわっており、
愛用のすべすべした緑色の石けんは、
汚らしい銀メッキの受け皿にしっかりと収まっている。
そのまわりにこびりついて、
チョークみたいに白くなっている汚れも、いつも通りの光景だ.

「ったくよ...」 彼は一人そうつぶやくと、その有様を見て思った。
「...ちっと掃除でもするかな」

 それからふと、目を下にやってみると、
彼は彼自身の隣で見下ろす形で立っており、
そこにはおびただしいほどの血が床にしたたっている。
アレンはテーブルの上にセットしてあったコーヒーメーカーを、
思い出した。
「...っまあ、とにかくはそこのコーヒーを飲んでからにしよう。 
間違いない、そうでもしなきゃやってらんないってなもんよ」

 生前、アレンが野生保護観察区域の案内人をしていたころ、
彼はよくログハウススタイルのカウンターの後ろに座って、
観光客相手に、彼自身もまだ見たことのない、
野生動物達について語ったものだった。

 しかし、今となっては彼は死人だ。
彼らがどこにいようとも、アレンにとってはさほど大きな問題ではない。
その気になればどこにでも探しに行くことができるのだ。

 彼はキッチンに立つと、
シンク越しに見えるケチカンの町
(アラスカ最南端でカナダとの国境付近にある街)
を見下ろした。
その忘れようもない、彼自身が生きていたその町を。
何も変わらない。
...ただ、唯一そこに見える、
おそらくは現世からでは見ることのできなかったであろう、
窓越しに見える遊覧大型客船を、
悠々と横切る *アイリッシュ・エルク を除いては。

* 約9000年前に絶滅した大きな角をもったシカ。


 アレンはそれから左のほうに首をもたげると、
いつだったか、
彼が道ばたで拾ってきたおんぼろテレビの上からこちらを見つめる、
一羽の **リョコウバトと、
まるで裁判所からのしのしと出てくる、
ふとっちょの法廷弁護士みたいな顔をした、
*** ショートフェイス・ベアを見つけた。

**19世紀後半あたりまで多く存在していたハトの一種。 
1901年に絶滅したとされる
*** およそ1万年前に絶滅したとされるクマ科の動物


「どうなってんだ、いったい...。」彼は不思議に思った。
「しかしこりゃ驚いたな。 
どれもみんな絶滅してる動物ばかりじゃないか...。」

「それに、今日の観光客は、...どうやら俺だけのようだな。」
彼はひとりそうつぶやくと、コーヒーポットに手を伸ばした。

しかし、無情にも彼の手はスルリとそれを通り抜けてしまうのだった。

その時だ。
遠ざかる何かの気配を感じたので、
アレンは少し耳を傾けてみると、
階段を降りて玄関へと向かう、人の足音が聞こえる。
そして、
その彼の足下のけばけばとしたカーペットの上に無造作に置いてある、
血の付いたタイヤ交換用の工具類に気が付いた。
「ちくしょう! どうなってんだ!!」
アレンはたまらない気持ちになって、部屋の中に叫び散らした。

黄色いインコが彼の部屋の開けっぱなしになっている窓から、
バタバタと羽音を残し飛び去って行った。


それからその足音の主は玄関のあたりで一旦止まると、
こちらに向かって引き返してきた。


第2章へと続く


原文


Chapter One
No More For Me, I'm Dead


"I never thought death would be like this," Allen thought to himself as he swung his feet out of his body. "It's like watching a cheap TV with bad reception, only I can still smell the coffee."

The rain fell like dried beans on his tin roof as it had done in life, and the mold grew in roach-like splotches on the grout around his bathtub as it always had. He was lying on his back in the tub and the slick sliver of green hand soap was safely cupped in its scummy chrome holder. The ring of chalky grime on the porcelain surface was the same as it ever was.

corpse.jpg

"Man...," he thought, "I've got to clean this place up."

It was then he noticed that he was standing next to his body looking down at himself and there was blood tracked across the floor. "But first I've got to have a cup of that coffee. I'm sure it will make things look better."

When he was alive, Allen had been a wildlife interpreter for the Forest Service. He used to sit behind a log cabin style counter talking to tourists about animals that he had actually never seen. Now that he was dead,he saw animals everywhere. Standing next to his kitchen sink he looked over the city of Ketchikan which appeared to be remarkably like it had been before he had died, except there was an Irish elk walking down the cruise ship dock without a soul in the world taking notice. Craning his head to the left, Allen saw a passenger pigeon perched on his cable TV feed from the street and a short-faced bear waddling like a fat barrister down the hill from the court house.

"I don't get it...," he thought. "These are all extinct species. I'm only a GS-four." He reached for the coffee pot, but his hand passed right through it. Allen cocked his head to hear footsteps fading down the hall. "Aw, cripes!" he said aloud as he noticed the bloody tire iron on the shag carpet. A yellow parakeet fluttered out the open window. Whoever was walking down the hall stopped, then doubled back.


Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.



本日もこちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとう。

楽しみの延長で更新しておりますが、
みなさまにとって、
少しでも「楽し味」を感じて頂けるものであれば、
うれしいな。


Motohiro


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コメント
この記事へのコメント
有言実行?!
さすが!!こんなに早く翻訳されると思わなかったよ。物語を呼んで、このコーヒーやっぱり飲んでみたくなった。。お土産と一緒に自分のものも注文しよう☆ありがとう!
2007/06/07(木) 05:44 | URL | Yukka #-[ 編集]
ありがとう~!
Yukkaちゃん、
いつもコメントありがとう。

とても励みになります。haha

とりあえず、始めてみたよ~。
っと、この物語はともかくとして、
ここのコーヒーは最高に美味しいから、
機会あらば試してみてほしいな~。
2007/06/07(木) 08:35 | URL | Moto #-[ 編集]
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