Deadman's Reach 第二章 / Raven's Brew Coffee, Inc.

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みなさん、こんにちは、こんばんは。

本日はDeadman's Reach ”全12章の物語”の第2章です。

なにぶん素人なので、細かいニュアンスは意訳によるところが多く、
読みづらいところもあるかとは思いますが、
気楽に楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、始めさせていただきます。


第2章

『Two Take It Black』


:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


足音がアレンの部屋に近づいてきた。
「ここです! ここ! 私はここで殺されてます!」
彼はチカラいっぱい大きい声で叫んだ。
とは言ってみたものの、実際には彼自身も、
自分の声が誰かに届くのかどうかは自信がなかった。
「やめだ、やめだ」
アレンはあきらめて、テレビの前のビーンバッグチェアにどさっと腰を下ろした。
「有給も使いきっちゃってたし、
なかなかこんなにゆっくりと休暇をとることもできそうにないしな」

丁度コーヒーも出来上がっているようだったが、
アレンはセットしてあったコーヒーのことや、
ついでに自分が殺されているなどということはすっかり忘れていた。

絨毯の上には誰かが慌てて拭った血のあとがしっかりと残っており、
彼の部屋の本棚は荒らされ、
高校の卒業アルバムは魚の干物みたいに大の字に広がって落ちている。

「そういえば...。」
彼は思い返していた。
シンディだけが卒業式に一言書いてくれたっけ。

アレンは大人になってからも、
シンディのことばかり考えていた。
社会人になってからも、
あの卒業アルバムは彼の最も大切にしていたもののひとつだった。

そしてもうすぐ、アレンの30回目の誕生日がやってくるころだ。
生きていれば、次の誕生日で30才になるはずだった。


アレンはたいがいのことについては、全てにおいて前向きな人だった。
「誰が俺を殺ったのかは知らないけれど、
少なくとも絨毯を綺麗にしようとしてくれたことについては評価しようじゃないか」
今もこうして、
自分が殺されたということについてもこんな調子だ。

それから彼は自身の顔を両手で覆うと、
「まあ考えてみればよ」
彼は彼自身に言い聞かせるようにつぶやいた。
「俺はもう死んだ身だ。 これは自分自身で納得しなけりゃならない。
それに、これからは部屋を綺麗にする必要性もないってなわけだ。
おそらく、永遠にもう...」

彼は振り返ると、気を取り直して
食器棚にかかっている、コーヒーカップに手をのばした。

...しかしやはり彼の手は、カップには届かず、
まるで2つの雲が入り混じるような感覚だけが残るばかりだ。

もう一度、彼は手を伸ばした。

無情にも、彼の手には物理的な感触はなく、
現世へとの間には遠い壁が立ちはだかるかのようであった。

「なんてこった...」
アレンは力なくうなだれた。

「いつもなら、今この瞬間、すぐにでもコーヒーカップに手を伸ばせるのに...」

ちょうどその時だ。

階段を上がって来る足音は、
アレンの部屋の前で止まると、
それからガチャリと音がして、ドアノブが回った。


第3章へと続く
第1章に戻る

原文



Chapter Two

”Two Take It Black”

Someone was walking towards Allen's door. "I've been murdered!" Allen said aloud, although he wasn't sure if anyone could actually hear him now that he was dead. "I really can't afford this." He sat down on the beanbag chair in front of his TV. "I've used up all my sick leave and I just don't think I can use vacation time for something like this". The coffee had just finished brewing but Allen didn't remember having put the pot on. He didn't remember being murdered for that matter. There was a wet spot on the rug where someone had tried to clean up the blood stain. His bookshelf had been ransacked and his high school yearbook was sprawled on the floor like a dried fish. Cindy had been the only one to sign it on the day of their high school graduation. This fact alone had caused Allen to pursue Cindy for most of his adult life. He would have been 30 on his next birthday and, sadly, this yearbook was his most prized possession.

yearbook.jpg

Allen had spent most of his adult life putting a positive spin on everything, which he tried to do with the facts surrounding his own murder. "It was nice of whoever it was to at least try and clean the rug," Allen thought. Then he buried his face in his hands. "Listen to me," he said. "I'm dead. I've got to deal with this. I'm never going to get my cleaning deposit back. That kind of thing just doesn't matter anymore."

He turned and tried to reach for a cup hanging from a brass hook under his cupboard. His hand passed through the cup, like two clouds commingling. He tried again, but he had no physical presence despite somehow still being in the physical world.

"This is a drag, " Allen mumbled. "I could really use a cup of coffee right about now."

Just then he heard footsteps on the landing outside his door and the rattle of keys on a chain.



Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.



本日もこちらのスペースにいらしていただき、
ありがとうございます。
楽しみの延長で、不定期に更新しておりますが、
みなさまにとって、なにかしら面白いと感じていただければ、
うれしいです!

またのお越しをお待ちしております!!


Motohiro


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コメント
この記事へのコメント
またまたおじゃまします~Moto
さん翻訳の文面なんですね~、楽しみに読ませていただいてますよ~。お気に入りのコーヒー「Deadman's Reach」って日本にも上陸して欲しいですねー、そんなに美味しいのなら飲んでみたいですね。それにしても洋画なんかも戸田奈津子さんのように翻訳できちゃうんじゃあないですか?すばらしいです。
2007/06/12(火) 09:57 | URL | mi3mi #-[ 編集]
こんにちは~、mi3miさん!

ありがとうございます!
コメントをいただけるって、
ホントにうれしいです!!
なかなか思うように進まないときもあり、
あれやこれやとやっておりますが、
楽しく、頭の体操みたいな感じでがんばってます。w
戸田奈津子さんのようなプロの方って、
改めてすごいなあと感じてます。

それはともかくとして~、
珈琲それぞれに個性があるので、
甲乙は付けがたいものではありますが、
「Deadman's Reach」は、
本当にすごくおすすめなんです。
できることなら、
いつか自分で輸入代行しようかなっても、
ちょっぴり考えています。 なはは。
いつか上陸しましたら、
ぜひお試しいただきたいです。
2007/06/12(火) 16:02 | URL | Moto #-[ 編集]
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