Deadman's Reach 第四章 / Raven's Brew Coffee, Inc.

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みなさん、こんにちは、こんばんは。

僕のほうは、先日の引っ越しも無事に終わり、
時間があれば近所を散策してみたりと、
新しい環境を楽しんでおります。

プラス、毎日がこのところすごくすごく忙しくて、
同時に色々なことをこなすのは、
集中力の分配が難しいなと思ったりしています。

みなさまはいかがおすごしでしょうか?

さて、大変ご無沙汰しておりましたが、
本日はDeadman's Reach物語、第4章をお届けしたいと思います。
翻訳に関しては何ぶん素人ではありますが、
みなさまにとって、
何かしらの楽しみを感じていただけたら嬉しいです!

それでは始めさせていただきます。


第4章

『長い一日/Good, Strong And a Little Bitter』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto


アレンが落ち込んでいるのには十分な理由があった。
まず、彼自身がどうやら死んでいるということ、
おそらくは仕事をクビになるだろうということ、
そして、さきほど刑事も言っていたが、
彼と別れたがっている彼女とのこと。
しかし、何より彼を落ち込ませているのは、
現場を検証しに来たはずのケチカン市の警察官たちが、
彼のすぐ目の前で、まさに喉から手が出るほど飲みたかった、
あのコーヒーを、それはそれはおいそうに飲んでいたということだ。
外は相変わらずの大粒の雨が降りしきっていたが、
彼は傘も持たず外に飛び出した。
少し外の雨にでもあたって、頭の中を整理したかったのだ。

ドアを出るとアレンは南に向かった。

何百という鮭の大群がすぐそこの川の上を飛んでいる。
銀色と紅の折り重なるうねりが、
滑らかな灰色の空へ飛び交っていく。
板張りの遊歩道の上では、
アイリッシュエルクがカッポカッポと、
足音を鳴り響かせていた。

観光客達はどうやら、
彼らのそのすぐ横にいる動物達には気づいていないようだ。

ゴミバケツに顔を突っ込んで、
鼻をフフンと鳴らしている、大きな牙を持ったクマ。
おっと、新入りのガイドだろうか。
フェルト生地でできた角のついた野球帽を被った男が、
観光客をまとめようと必死になっている。

「ハイ、そこ押さないでくださいね! 後ろの方、聞こえてますか~?」
野球帽の男が叫んでいる。

...アレンには関係のないことだ。
特に今はこっちだってつらいのだ。
「まっ、俺の分までがんばってくれ...。 俺の分まで...」
彼は口の中で何度か小さくつぶやいた。

その時だ。

突然、彼のいる少し前の方に、不思議な光りを放つ老人が見えた。
これにはアレンも驚いた。
老人はなにやら長い杖のようなものを持ち、
革製のベスト、それから頭にはバンダナを巻いており、
さらに肩の上には、
足に黒い毛の生えたフェレットがちょこんと乗っかっている。

アレンはその愛想よさそうに笑う不思議な老人のほうへ向かって、
走った。 あの老人は自分と同じ存在に違いない。
きっと何か話が出来るに違いない!
今朝のこの、うんざりするような出来事を聞いてもらおう。

頭上には、
北極に多く生息する*チャーの群れが泳いでいる。
*イワナ類の魚

老人は川底を覗いていた。
フェレットは彼の首のまわりをくるくると回っている。
っと、アレンが歩み寄ると、老人はゆっくりと口を開いた。
「お手洗いはどこだったかの?」

アレンは突然のことに当惑して、
「え? ええ? お手洗い...ですか??」
「あなたどうかしてるんじゃないですか! もしかして何も知らないんですね!」
老人は相変わらずほほえんでいる。
アレンの笑顔はちょっぴり引きつっている。
「ほほほ、若いの。 私も観光客じゃ。 君と同じな。」

アレンは泣きたくなった。

それから一旦気を落ち着けると、アレンの目に老人の革製のベストが見えた。
「ん? ボタンに何か書いてある」
よく見てみると、そのまあるいボタンには"IRONY"(皮肉)と書かれており、
斜めに線が入っている。

「それ、どういう意味ですか?」
アレンは老人に尋ねた。
「おっと、君こそ何もしらないんだな!」
老人はそういうと、くるりと背を向けて、
向こうへ歩き出してしまった。

アレンは思わず、歩き出した老人の手を掴んで叫んだ。
せっかく出会えた同胞だ。 
いてもたってもいられない気持ちを抑えきれなかった。
「お願いです! 行かないで下さい!」
彼は必死で頼んだ。
頭上では魚の群れが、まるで誰かが川面に向かって石を投げ入れた後みたいに、
ぱあっと散った。
「今日はホント、とんだ一日だ...」アレンは力なくうなだれた。

すると老人は足を止め、やさしくアレンに語りかけた。
「私たちだけではないのだよ」
そして、丘のほうへ指を指した。「みてごらんなさい」
アレンはその方向に目をやってみると、
なんと彼のガールフレンドのシンディがパトカーの中から、
両手で顔を深く覆いながら出て来るではないか。
彼女はすすり泣きながら、近くの喫茶店へ駆け込んでいった。

「もしかすると、君はあの喫茶店が、なにか君の死と関係があるのではないかと思っているのではないかね?」
その”NO IRONY”ボタンの老人は、にやりと笑った。
アレンは何か嫌な予感がした。 
こういうときには結構当たったりするものだ。
「おっとと、行かないほうが君のためかもしらんぞ?」

老人の声などは彼の耳には入らなかった。
アレンは彼女の入っていったその場所に向かって、
全速力で走り出した。


第5章に続く
第3章に戻る

原文

Chapter Four
Good, Strong And A Little Bitter

Allen was depressed. He had good reason to be. He was dead. He would probably lose his job, and his girlfriend who wanted to dump him. To top it all off, the Ketchikan police were drinking his coffee when they should be tracking his murderer. Allen decided to go for a walk and clear his head. He didn't even take his raincoat, that's how depressed he was.

Outside his door he turned south and saw hundreds of millions of salmon flying above the river. They slithered silver and red in the slick, gray sky. The Irish elk walked up the boardwalk with a labored percussive footfall. Tourists walked by unaware. The people seemed out of focus, like ghost images next to the vivid animals. A huge black bear with long saber-like teeth snuffled in a garbage can next to a tour group from the midwest. A man was trying to take a group shot of his companions wearing ball caps with felt antlers.

"No. Squeeze together and leave some place for me on the end," the tourist man yelled.

Allen didn't care. He was depressed. "Yeah, save a place for me, " he repeated gloomily to himself.

old-ghost.jpg

Suddenly Allen saw a vivid man. He was very old and was carrying a long staff. He had a black-footed ferret on his shoulder. The old man wore a leather vest and a head band. Allen ran to him and the old man smiled a heavy-lidded grin―sleepy and mysterious. A school of arctic char swarmed in the air above them both, and Allen thought he could feel the air eddy being the flash of their tails. The old man was a ghost, and Allen was certain he would be able to explain everything that was going on this really nutty morning.

The old man was staring out over the channel. The ferret curled around his neck. Finally the old man spoke. "Do they have public restrooms around here?" he asked.

Allen was flummoxed. "What? Restrooms? Are you crazy? Don't you know?" The old man smiled and his smile betrayed a life long patience. "I'm a visitor here. Just like you." Allen was about to start crying. Then he looked on the old man's leather vest. He wore a button that had the word IRONY with a red circle and a slash through it.

noirony.jpg

"What does that mean? 'No Irony'?" Allen asked in desperation.

"Oh, like you don't know!" the old man said, then turned and walked away.

Allen held his hand up as if in supplication. "Oh, please! Please don't go," he said plaintively, and the fish darted as if someone had thrown a rock into the air. "I'm really not myself today," Allen said weakly.

"Not many of us are," the No Irony ghost said, and pointed down the hill.

Allen looked where the ghost pointed and saw his girlfriend Cindy get out of a police car with her head buried in her hands. She was sobbing as she ran into the art gallery and coffee shop.

"I suppose you think the answer to your death is down in that coffee shop, don't you?" The No Irony ghost was grinning. "Oh, no. Don't go down there. That would be too obvious." The ghost rolled his eyes. Allen turned and ran.

Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.

©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


本日もこちらのスペースにいらしていただき、
ありがとうございます。

しばらく間が空いてしまいましたが、
よかったらまた遊びにいらしてくださいね。

お待ちしております。


have a nice day!

Motohiro


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コメント
この記事へのコメント
こんにちわ(。・ω・。)ノ
お引越ししてらしたんですか(´ ▽`)
私は生まれてから1回も引越ししたことないので少しうらやましいです☆

私は色々な事をして、忙しくしている時が一番充実感があるきがします。
自分は必要とされていて、だから頼られて、今は大変なんだ。って思えるからです(^ω^)

お話の続きがとても気になります♪
また訪問させていただきますね☆
2007/07/09(月) 18:21 | URL | 玲那 #-[ 編集]
こんにちは、玲那さん。

コメントありがとうございます!

引っ越しすると、
なんだかまた新しい、新鮮な気持ちになれます。
普段、あまり気づかないのだけど、
意外と荷物があったりして(汗)、
結構大変だったりもしますが、
終わってみるとなかなかよいです!haha

玲那さんの言う様に、
忙しい時って、
充実してるってことなのかもしれないなって思いました。
ありがとう。

うん。 いつでも遊びにいらしてくださいね。 
お待ちしてます。
2007/07/09(月) 21:55 | URL | Moto #-[ 編集]
お引越し終わったんですね。
引越しって、なんだかワクワクしてきますよね。新しい環境とか。生活とか。
でも、思ったより大変だったりして、イメージとまったく違う生活を送ってしまいます。

お話、よかったです。
早く、続きが読みたいです。
2007/07/09(月) 22:12 | URL | coo #-[ 編集]
引越し
こんにちは。
そちらの引越しは
映画でよく見るように
壁とか自分で塗ったりするんですか。

心待ちしていましたので
すぐに読み終わりました。
展開が読めなくておもしろいですね。
次も期待しています。
2007/07/10(火) 17:09 | URL | ノリかめ #-[ 編集]
こんばんわ(。・ω・。)ノ
リンクしてもよろしいでしょうか(^ω^)??
2007/07/10(火) 20:18 | URL | 玲那 #-[ 編集]
cooさん、こんばんは。

はい、引っ越しのほうは無事に完了いたしました!
確かにまだ近所のこともわからないですが、
今はどちらかというとワクワクでいっぱいです なはは。

嬉しいコメント、
ありがとうございます!
2007/07/10(火) 21:04 | URL | Moto #-[ 編集]
ノリかめさん、こんばんは。
ご無沙汰しております。

言われてみれば、
確かに壁などを自分で塗るかたは、
結構いらっしゃるみたいですが、
今度の家は比較的新築で、
壁も綺麗なので、
今の所、そのままでいいかなと思っています!

あ。 ちなみに、
マサチューセッツ州は、
町並みが古いこともあり、
よく家のリニューアルなどしておりますが、
ほとんどの場合、
ペンキを塗り替えるだけだったりします。
でも、一度やってみたいなあ~。w

嬉しいコメントどうもありがとうございます!
本当に、励みになります!
どうぞ次回もご期待ください~。
楽しくなってきました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2007/07/10(火) 21:13 | URL | Moto #-[ 編集]
玲那さん、こんばんは。

わお。 大歓迎です。
よろこんで。 

ありがとう。

どうぞよろしくお願いいたします。
2007/07/10(火) 22:43 | URL | Moto #-[ 編集]
Motoさんおかえりなさ~い(*^_^*)
新しいお部屋はどうですか???
これからも宜しくお願いします^m^
2007/07/11(水) 18:40 | URL | ぎずも #Zk/lHUeI[ 編集]
こんにちは、ぎずもさん!
お久しぶり~。
ただいまです。

新しい部屋はとても快適です。
近くにショッピングモールなどもあるので、
とても助かっています。

新しい環境って、
気持ちも切り替わっていいもんだなと思っています。

コメントありがとうございました!
こちらこそ、
これからもどうぞ宜しくお願いします!
2007/07/12(木) 07:08 | URL | Moto #-[ 編集]
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