Deadman's Reach 第五章 / Raven's Brew Coffee, Inc.

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みなさん、こんにちは、こんばんは。

先日より日本に舞い降りた台風はその後、
各地を転々としているようですが、
場所により時折激しい被害を残しているようです。

いかがお過ごしでしょうか。
自然の脅威とは、本当に恐ろしいものですが、
今はただ、みなさまが無事でありますよう、
アメリカよりお祈りもうしあげます。

さて、
本日はDeadman's Reach物語、第5章をお届けしたいと思います。
全12章の物語、いよいよ少しずつお話が動き始めて参ります。

何ぶん翻訳に関しては素人で、
なかには読みづらいところもあるかもしれませんが、
もし、みなさまにとって、
なにかしら面白みを感じていただけたなら、嬉しいです。

それでは、始めさせていただきます。


第5章

『二つの弾丸が弾け、動き始める』

作:John Straley アメリカの著名な小説家。 
シェイマス賞受賞 等
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催で、
警察官や政府関係者以外の主人公の作品が対象の賞)
日本語訳:Moto

どういう訳なのか、
アレンにはシンディの姿をはっきりと捕らえる事ができなかった。
彼女の輪郭はアレンの目にはどうにもぼやけて見えてしまうのだ。
...それはまるで、彼にはもう、
永遠に届かない存在であるかのように。

二人は生前、お互いに恋人として付き合いをしており、
そしてあの日、彼らは少し遅めの昼食を一緒に取る予定だった。
結果的に死の要因となったタイヤ交換作業は、
彼にとってはまったく計算外の出来事で、
実際に彼を慌てさせた。

シンディは喫茶店の奥にあるギャラリーの中で、
すらっとした若い青年の肩にもたれかかって泣いていた。
彼の名はピエトロ。 正式には、ピーター、だが、
そんなことは今は大した問題ではない。 
ここではピエトロと呼ぶ事にしよう。
彼はいつものように真っ黒な服を身にまとい、
だらしなく伸びた髪を、下唇のあたりまで垂らしていた。

さて、今日は "New World Roadkill"とよばれる、
彼の個展がひっそりと開かれているようだ。
モノクロムによる作品で、
舗道で事故にあった動物達の姿が、
フィルムの中に不気味に映し出されている。

ピエトロはいつでもシンディに夢中だった。

そしてその若いブロンドの彼女に対するでれでれとした仕草は、
もしアレンが生きていたのならば、
このはらわたの煮えくり返る思いを、
きっと押さえることはできなかったに違いない。

ピエトロはシンディの耳元に向かってやさしくささやいた。
「悲しみを解き放ってごらん。 深い悲しみを。 深い悲しみを! 
過去の事は忘れて、今ある目の前のこと、そして未来に目を向けるんだ」

「彼女から手を放せ!!」
アレンはありったけの声で叫んでみたが、
やはり誰の耳にも届きそうにはなかった。

「多分、私にも責任があると思うわ」
シンディは涙でいっぱいになりながら、話し始めた。
「なぜって、実は今日彼に私たちのことを伝えるつもりだったの。 
だけどこんなことになるなんて、考えてもいなかったから...」
むせび泣く彼女の話を、ピエトロは少し離れた壁に寄りかかって聞いていた。
「確かに彼は少しだらしなかったけれど、何も死ぬ事はなかったと思うわ」
シンディの涙はまた溢れ出した。

アレンは少し立ちくらみのような目眩を感じて、
近くにあったテレビのモニターにもたれかかった。
ピエトロは今にも彼女にのしかかる勢いだ。

モニターの画像が乱れ始めた。

ピエトロは何か異変を感じ、思わず目を見張った。

しかしアレンがテレビのモニターから離れると、
すぐにまた、
フィルムの乱れは何事もなかったように鮮明な画像にもどったのだ。

「へえ」アレンは思った。
「こりゃまるでちょうど現実とさかさまだ! 
アンテナを調整しようとすれば逆に乱れるってわけだ」

ピエトロは乱れた画像がクリアになったのを確認すると、
すぐに彼女に向き直った。
「なあ、僕らはいつまでも、感情的になっているべきじゃないと思うよ。 
僕は何も非情になれって言っているわけじゃないぜ?」
「だけど、彼の死に方だって、ほら...なんていうかな、
ちょっとかっこわるかったしな」
「さすがに、誉れ高いとは言いがたいよ...、
なんでも風呂場で足を滑らせたっていう話だからな...」

シンディはすぐさま彼を鋭い目で制止した。
「ちょっとまって。 どうして、それを知ってるわけ? 
警察の人たちだって、さっき私にはそんなこと教えてくれなかったわ」
彼女はギャラリーの中をそっと見回してみた。
どうやらここには彼ら以外に誰もいないようだ。

ピエトロは彼女の話などにはまるで聞く耳も持たない様子で、
壁に向かって歩きはじめると、少し斜めに傾いていたテレビを元に戻した。
「あ? なんだ、それね。 さっきたまたま聞いたのさ」
そう言うと、彼女に向かってウインクした。
アレンの中でただなんとなく嫌な予感がよぎった。

そこで一人の女性がギャラリーに入ってきた。
彼女の名はウィラ。
 
ウィラはいつだって、他の誰よりも輝いていた。
彼女とアレンは職場の同僚だ。
彼らはお互い信頼できる仲間同士だったし、
時には一緒にランチを食べながら、
低カロリーのデザートの話などで盛り上がったりすることもあった。
しかしアレンは一度だって、
彼女に対してロマンティックな想いを寄せることはなかった。
というより、彼にとって彼女が彼と同じくらい孤独だなどと、
想像してみること自体が現実離れしていたのだ。
そして今までアレンは彼女のことを、
美しい人だな、などとは考えたこともなかったが、
今の彼には、何よりも、そして誰よりも輝いて見えた。

「彼女の深い瞳は、まるで露に濡れて光る黒檀のようだ...」
彼はふと思った。

ウィラはギャラリーに入り、
まっすぐにシンディとピエトロに向かって歩いてくると、
彼らの目の前で立ち止まった。

「あんたたちね。 私は知ってるのよ。 
あなた達二人が彼を殺したってこと」
彼女の口調はいたって冷静だ。 
「どうやってやったかまでは、知らないけどね」

「...よろしければ、コーヒーでもいかがかしら?」
シンディは鼻を少しすすると、
次の瞬間、ウィラのちょうど腰の付け根あたりに、
リボルバー式の拳銃を硬く突き立てた。

銃身の先に冷たく光る銃口は、
まるで牙を剥いた人食いザメのように、どす黒く艶めいた。

第6章に進む
第4章に戻る

原文


Chapter Five
Two Shots, And A Twist

Allen could barely see Cindy. The contours of her body were fuzzy, as if he couldn't quite pick up her signal. Cindy was Allen's girlfriend before he had died. They were supposed to have had brunch that very day. Having been beaten to death with a tire iron had not made Allen very optimistic about being able to reschedule. Cindy was now inside the art gallery crying on the shoulder of a slender young man named Pietro, whose real name was Peter. Peter / Pietro always wore black and had a mysterious growth of hair under his lower lip. His gallery show, called "New World Roadkill," consisted of black and white video images of animals squashed on the pavement. Pietro was a conceptual artist, and he had always had the hots for Cindy. The way he comforted the young blonde woman would have irked Allen even if he had still been alive.

Pietro cooed into Cindy's ear, "expel it. Grieve. Grieve. You have to cleanse yourself to visualize the future."

"Get your hands off my girl," Allen said aloud, though no one seemed to hear.

"I feel so responsible," Cindy sobbed. "I was waiting to tell him about us. I was going to do it today at brunch. But he's dead." Her nose was running and Pietro leaned away so she wouldn't get any snot on the front of his turtleneck. "Even if he was a dweeb, he doesn't deserve to be dead," she wailed.

Allen slumped against one of the TV monitors. Pietro looked up and almost toppled Cindy. The image of the monitor blurred. Pietro dissolving, evanescent dream of flattened yellow cat. Pietro couldn't take his eyes off himself. Allen leaned away from the TV and the image became clear instantly.

chap5ghostTV.jpg

"Huh!' Allen thought. "Just the opposite of real life. Touching the antenna used to make the TV clear." Once Pietro's image cleared up, he turned back to Cindy. "We mustn't be sentimental, cher. I don't mean to be callous but a dweeb when he dies is only... well, frankly, only a dead dweeb. We can't ennoble him... for slipping and falling in his tub."

Cindy looked sharply at Pietro. "You can't know he slipped and fell. The police didn't tell me that." Cindy's voice was hushed and she looked furtively around the gallery.

Pietro ignored her and walked to the wall and straightened the monitor showing a squashed raccoon. "Huh? Oh, I just heard about it." He winked at her and it gave Allen the creeps.

Willa walked into the gallery. She was more vivid than any of the other humans. Willa and Allen worked at the Forest Service together. They had been buddies, eating lunch together and sharing ideas for low cal desserts. Allen had never felt romantic about Willa and was afraid to think that she may have been as lonely as he was. He never thought of her as beautiful but now he could see her more clearly than anyone else. Her dark eyes sparkled like wet ebony.

"I know you two killed him," she said in a flat voice. "I just don't know how."

sharkeye.jpg
"Have a cup of coffee, dear." Cindy sniffed, and lifted the revolver from her lap, the hole in the end of the barrel as black as a shark's eye

Art © Ray Troll
Deadman's Reach Novelette © John Straley
All of our brand names, images and text are protected
by trademarks, registered trademarks, copyrights and attack-dogs with law degrees.


©2007 Raven's Brew Coffee, Inc.


本日もこちらのスペースにお越し下さいまして、
ありがとうございます。

いつもお越しくださっているみなさまはもちろん、
そして今日初めてお越しくださったみなさま、
どうもありがとう。
これも何かの縁だと思うと、
なんだか幸せです。

コメントを頂けると、とても励みになります。
その際には、アドレスを頂ければ参りますので、
お手数でなければ、どうぞよろしくです。

Thank you,


Have a nice day!

Motohiro

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コメント
この記事へのコメント
面白くなって来ました
こんにちは!
だいぶ面白くなって来ましたね
どうなるか興味津々です。
次回が楽しみです。

日本では台風がきたり
地震がおきたり大変です。
2007/07/17(火) 17:23 | URL | ノリかめ #-[ 編集]
台風の次は・・・
地震が頻繁におこっています;;(新潟で(p_<))

お話すごく気になります★
Motoさんが日本語訳をしてくれていなかったら出会えなかった話だと思います(。・ω・。)
つづき楽しみにしてますね( ´∀`)
2007/07/17(火) 18:14 | URL | 玲那 #-[ 編集]
こんばんは、ノリかめさん!

コメントありがとうございます!!
こちらでも、
時折日本の様子を目にしたり、
耳にしたりすることがあります。

自然の災害は、
このところまさに脅威、
といった感を受けますが、
本当に、願わくば早くおだやかな陽気に、
なってほしいですね。
2007/07/18(水) 11:06 | URL | Moto #-[ 編集]
こんにちは、玲那さん。

地震の規模は日に日に拡大しているようで、
少し心配です。

新潟には、親戚が住んでいるせいもあって、
少し余計に心配だったりします。
早く、おさまるといいなあ。

コメント、どうもありがとう!

すごく励みになります!
物語は、これからどんどん展開して参りますので、
どうぞ楽しみにしていてくださいね~!
2007/07/18(水) 11:10 | URL | Moto #-[ 編集]
もうしおくれました
こんにちは!
物語がだいぶ面白くなってきましたね。いいところでCMに入ってしまう、ドラマみたいにワクワクします。



だいぶん遅れましたが、リンクをはらせていただいてもいいでしょうか?
2007/07/18(水) 17:34 | URL | coo #-[ 編集]
こんにちは、cooさん。

コメント、ありがとうございます!
うれしいな。
こんな調子で、少しずつ更新して参りますので、
どうぞよろしくです。

リンク、もちろんです!
どうぞよろしくお願いいたします。

Thanks!
2007/07/18(水) 22:42 | URL | Moto #-[ 編集]
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